中国初の外来種不法持ち込み事件で一審判決

2024-09-20 14:10:10  CRI

世界的に問題視される「生態系キラー」のミシシッピアカミミガメ

 中国南部の広東省珠海市中級人民法院(裁判所)は19日午前、拱北税関密輸取締局が立件捜査した外来種のミシシッピアカミミガメを不法に導入した事件についての一審公開判決として、被告に外来種の不法導入罪で懲役9カ月、罰金10万元(約201万円)を言い渡しました。同件は中国で初めて公開判決が言い渡された外来種の違法導入犯罪事件でした。

 2022年10月21日夜、拱北税関に所属する港珠澳大橋税関の職員が通関地の入境バス通路の監視中に、広東・マカオ両地通用ナンバープレートをつけた自動車に異常を発見しました。そして、同車のサンルーフとサンバイザーの隙間、センターコンソールボックスを改造した部分に隠された大量の生きたカメが発見され、押収されました。車を運転していた容疑者は、これらの「亀の幼体」は繁殖用と主張しましたが、有効な検疫証明書を示すことができませんでした。税関側は法律に基づいて通関を保留し、カメを関連部門に送りさらなる鑑定を進めました。

 専門機関の鑑定によると、問題の生きたカメのうち1760匹はミシシッピアカミミガメでした。ミシシッピアカミミガメは世界的に問題視されている「生態系キラー」で、野外に天敵がないため、大規模に繁殖して現地の生態系を破壊し、原生種の生存空間を圧迫します。ミシシッピアカミミガメは中国の『重点管理外来種リスト』にも登録されており、国際自然保護連合(IUCN)によって「最も危険な外来種100種」の一つに指定されています。

 綿密な捜査の結果、拱北税関密輸取締局は2023年8月7日、外来種の不法導入罪の疑いで容疑者を珠海市人民検察院に身柄送検しました。さらに取り調べを受けた結果、容疑者最終的に起訴されました。検察は不法に導入された外来種の数や危害などの要素を総合的に考慮し、法律で定められた「悪質な状況」に該当すると認定し、2024年4月12日に起訴しました。同事件は『中華人民共和国刑法修正案(十一)』の施行後、中国初の検察機関が起訴した外来種の不法導入事件でした。珠海市中級人民法院は2024年6月5日に第一審公開開廷し、審理を始めました。(ヒガシ、鈴木)

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