実話を映画化した『家出の決意』 中秋節連休期間中の興行収入が3位

2024-09-19 13:56:21  CRI

 マイカーで一人旅をする50代の女性・蘇敏の実話を映画化した、尹麗川監督、咏梅(ヨンメイ)、姜武(ジャン・ウー)主演の『家出の決意』が15日に全国で公開され、中秋節(旧暦8月15日)を祝うための15日から17日までの3連休中に興行収入第3位を獲得しました。人気のSNS微博(ウェイボー)、レビューサイト豆瓣(ドウバン)、オンラインショッピングおよびソーシャルネットワーキングプラットフォーム小紅書(通称REDBOOK、レッドアプリ)などには多くの好意的なレビューが寄せられ、映画を見終わった後、多くの観客が自分の母親に推薦したいと話しています。 

映画『家出の決意』のポスター

 詠梅が演じるヒロイン李紅の一生は平凡ながらも波瀾(はらん)万丈で、家庭のために妥協を重ね、自分の夢は隅に追いやってきました。生家では、父親は弟を優遇し、彼女に学業を放棄させました。結婚後は、夫からの非難と罵倒が彼女を憂鬱と不安に陥れました。身勝手で自分のことしか考えない娘は、仕事で苦しいことがあると、それが当然であるかのように母親を当てにしてきました。苦痛と抑圧の中で長い間不安を募らせた李紅の心に、ついに家を出るという気持ちが生まれました。

 映画のストーリーは実話に基づいており、李紅のモデルは蘇敏という女性です。今年60歳の蘇敏は、チベットのチャムドで生まれ、10代の時に家族と共に中国中部の河南省に移住しました。2020年7月、蘇敏は「50歳のおばさんのマイカーの旅」という名前で自身のアカウントを立ち上げ、9月24日の午前、アルバイトで貯めたお金で買ったマイカーで河南省鄭州市を出発し、一人旅に出ました。今年6月、蘇敏は夫に離婚を申し出ましたが、夫は50万元(約1000万円)の慰謝料を要求しました。蘇敏は7月15日にSNSを上げ、調停の結果、最終的に夫に16万元(約320万円)を支払うことになったと発表しました。

 尹麗川監督はインタビューに応じた際、「李紅の必死なもがきは彼女だけの問題ではなく、『家出の決意』は現実に立脚したもので、中国の結婚と家族の姿を描き、観客に個人と家庭との間で生まれた痛みに向き合い、生活について考えさせ、自分の意思で生きるためのより多くの選択肢を探らせようとするものだ」と述べました。

 19世紀のノルウェーの戯曲家イプセンの作品「人形の家」の女主人公ノラの家出とは違って、李紅の家出は、より現代的な女性が自らを救い、自分自身になるという物語です。(藍、坂下)

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