フォードCEO 中国に来て初めて米国が遅れていることを知った

2024-09-18 12:48:44  CRI

 ウォール・ストリート・ジャーナルのウェブサイトに14日に掲載された記事によりますと、米自動車メーカー第2位のフォード・モーターのジム・ファーリー社長兼最高経営責任者(CEO)は2023年の初め以降、何度も中国を訪問しており、これら数回の訪中で、電気自動車(EV)をめぐる競争で中国メーカーが大きくリードしていることに気づいたということです。

△充電中の電気自動車

 今年5月に中国から帰国した後、ジム・ファーリー社長兼CEOはフォードの取締役会メンバーであるジョン・ソーントン氏への電話の中で、「中国のEVメーカーは光の速さで前進している。中国製EVはAIなど多くの新技術を駆使しているが、同様の製品は米国ではまったく見当たらない。中国の自動車メーカーは効率的なサプライチェーンを通じて、より良い製品をより低い価格帯で提供し、海外で急ピッチで市場を獲得している」と話しました。

 米メディアはフォードの「マスタング Mach-E」とBYDの「海獅(シーライオン)07」の2車種を簡単に比較しました。2車種はどちらも二次電池式電気自動車(BEV)のSUVであるものの、シーライオン07の航続距離は「マスタング Mach-E」より約60マイル(約100キロ)長く、しかも最上級バージョンの販売価格は「マスタング Mach-E」の低価格バージョンよりも6000ドル以上安く設定されています。

 米CNBCテレビによると、現在、EVの総コストの20~30%はバッテリーのコストが占めていますが、中国製EVのコスト優位性の40%はバッテリーから来ています。

 実は、バッテリーだけでなく、中国勢は他のほとんどのカテゴリーのコスト面で、フォードやGMなど米国の従来の自動車メーカーをはるかに下回っています。

 5月の訪中を終えたフォードのファーリーCEOは、小米(シャオミ)や理想(リ・オート)など複数の中国製のEV車を米ミシガン州の本社に運び、同社の管理層に体験させました。フォードの内部関係者は、中国製EVの多様な機能に衝撃を受けたということです。

 中国訪問中に大きな格差を実感したことで、フォードのトップ管理層は中国戦略を調整し、中国市場で失ったシェアの奪還を目指すのではなく、中国を主要な輸出拠点とすると同時に、製品の開発と生産において中国基準に対応することを決定しました。

 フォードのウィリアム・フォード代表取締役会長は、「貿易障壁があるにもかかわらず、中国製EVは今後間違いなく米国市場に大量に進出するだろう。米自動車メーカーはそれに対応する必要がある」と述べたことがあります。フォードは2023年2月、35億ドルを投資して、米ミシガン州にCATL(寧徳時代新能源科技、福建省寧徳市)が提供する技術を採用したEV用のバッテリー工場を新たに建設すると発表しました。新工場は2026年に稼働予定です。一方、ブルームバーグ通信の最新情報によると、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)もCATLの技術を使って生産された駆動用バッテリーの調達を検討しているということです。(ZHL、坂下)


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