北京
PM2.577
23/19
▲中国の火星探査ローバーと火星着陸機
中国の火星からのサンプルリターンミッション「天問3号」の劉継忠総設計師はこのほど、「中国の天問3号ミッションは2028年前後に2回の衛星打上げを実施し、火星サンプルを地球へ持ち帰ることを計画している」と明らかにしました。
劉継忠総設計師は5日、中国中部の安徽省黄山市で開かれた第2回深宇宙探査(天都)国際会議で、同チームの目標は火星のサンプルを地球に持ち帰ることだと述べました。彼は同ミッションについて説明した際、「長征5号ロケットにより、オービターとリターナーの複合体および着陸機と上昇機からなる構造物を2回に分けて打ち上げる」と述べ、「着陸、サンプル採取、離陸、軌道上でのサンプル移送は、過去に使用された主要技術を基に行われる。これらの主要技術は、嫦娥5号と嫦娥6号の月のサンプル帰還ミッション、天問1号の火星着陸ミッションで使用されたものだ」と紹介しました。
天問3号ミッションは、国際的なペイロード協力、サンプルとデータの共有、将来計画のための共同研究を含む三つの分野で国際協力を行うと報告されています。世界中の科学者と共同で火星のサンプルとデータに関する協力・共有・研究を行い、他の国や科学研究機関と共同で火星研究ステーションのミッションとタスクの定義、需要分析、概念研究、実施プログラムの設計、火星研究ステーションの主要技術の研究開発を行い、共同で火星ファミリーを築くことになります。
これについて、米国アリゾナ州立大学の宇宙政策研究員、ナムラタ・ゴスワミ氏は、「今回のミッションのタイムスケジュールはこれまで予想されていた2030年の打ち上げから更新された」と述べ、「これは、中国がこの複雑なオペレーションに必要な技術を習得する能力に自信を深めていることを示している」と述べました。ゴスワミ氏はまた、「火星探査に最初に成功した国が宇宙探査における世界的なリーダーになるだろう」と語りました。
中国の火星探査機天問1号は2020年7月23日に打ち上げられ、その後202日間の飛行を経て、2021年2月10日に火星軌道への進入に成功しました。同年5月22日、祝融号探査ローバーが火星の表面に到達し、巡視探査を開始しました。6月11日、中国国家宇宙局は「祝融号」が火星着陸後に撮影した最初の科学画像を公開しました。(HJ、坂下)
KANKAN特集