北京
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戚教授らの専門家チーム
中国中部安徽省にある小児専門病院(復旦児科安徽医院)児童一般外科の戚士芹教授のチームはこのほど、月齢5カ月の女児、果果ちゃん(仮名)の腹部から、毛髪、骨、軟骨、脂肪、軟骨性質の管腔様構造がそろった胎児を取り出しました。
果果ちゃんの両親は2カ月前、果果ちゃんのおなかが大きいことに気付きました。地元の病院で診察してもらったところ、「子どものおなかはみんなこんな感じだ」と言われたため、検査を受けずに帰宅しました。しかしその後、果果ちゃんのおなかがさらに大きくなったことから、両親は果果ちゃんを復旦児科安徽医院へ連れて行き、検査をしてもらったところ、果果ちゃんの腹腔内にパイナップル大の直径10センチの混合性胚細胞腫瘍があることが分かり、直ちに手術をして切除しなければならないとのことでした。
しかし、果果ちゃんは月齢が若く、腹腔が小さく、腫瘍が腹腔の3分の2近くを占め、周囲には腎臓と大血管があり、ほとんどの腸管が左側に押し込まれ、右の腎臓までも骨盤腔に押し込まれていて、手術の難易度は非常に高いとのことでした。
戚教授らの専門家チームは、手術の方法について話し合い、手術のリスクについて評価した上で、果果ちゃんに「腹腔腫瘍切除術」を行いました。検査の結果、切除された腫瘍は一つの発育不完全な胚であり、含まれる組織はすべて良好に分化し、悪性変化は発生しなかったことが確定されました。
戚教授によりますと、この腫瘍は「寄生胎児」とのことです。寄生胎児とは、珍しい先天性発育奇形で、胚発育時に一つの完全な胎児のある部分にもう一つのまたはいくつかの不完全な胎児が寄生することを指し、うち一つは正常に発育し、もう一つ(またはいくつか)は胚発育のある時期に異常に発育し、正常に発育した胚に寄生し、正常な胚から栄養を受けて生存します。
寄生胎児は、異常胚が正常胚に寄生する部位によって内生性と外生性に分けられます。果果ちゃんの体内で切除された胚は内生性に属するもので、「胎児内胎児」とも呼ばれ、一卵性双胎の中の結合双生児の一種の特殊な形式であり、発生率は極めて低く、およそ新生児総数の100万分の1と極めてまれです。果果ちゃんは手術と治療を経てすでに快復し、退院しました。(非、柳川)
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