【CRI時評】フィリピンを支持する米欧の背後にあるもくろみとは

2024-09-03 11:52:29  CRI

 欧州連合(EU)の外交部門を担う欧州対外行動庁(EEAS)は1日、中国海警船が南海でフィリピン船に対して危険な行動を取ったとする声明を発表し、中国を攻撃した。それに先立ち、米国務省も、中国海警船がフィリピン船に「故意にぶつかった」とする声明を発表し、中国を中傷した。歩調を合わせてフィリピンを応援し中国にかみつく米欧のやり口は、人々にとって見慣れたものだ。しかし、いかなる政治的宣伝・パフォーマンスも、事実の前ではひとたまりもない。

 フィリピンは、わずか10日の間に、中国の仁愛礁と仙賓礁の海域で4度も極めて危険な侵入と補給物資の空中投下を行った。直近のケースは8月31日だ。現場で撮影された映像を見れば、中国の仙賓礁に不法に停留していたフィリピン沿岸警備隊の9701号船がいかりを上げ、正常な権益維持・法執行活動を行っていた中国海警船に危険な方法で故意にぶつかったことが、はっきりと分かる。現場での中国側の対応は、正当で合法的、プロフェッショナルで規範的なものだった。映像には、米軍のP-8A哨戒機が中国海警の法執行を妨害する様子も映っていた。これらが証明するのは、双方の船舶が衝突した責任は完全にフィリピン側にあり、南海で騒ぎを起こして事態をエスカレートさせているのはフィリピン側で、その背後で火に油を注ぎ南海が乱れないと困るのは米国であるということだ。

 米欧は、南海問題の当事者でないにもかかわらず、黒を白と言い白を黒と言うように、中国の領土を侵犯し主権を侵害するフィリピンの挑発行為を支持している。その背後には各自もくろみがある。米国にとってフィリピンは、「第1列島線」の要に位置するだけでなく中国と海を巡って争っており、米国が南海地区で「インド太平洋戦略」を推進する上で手先となる第一候補だ。EUについて言えば、米国の長期にわたる浸透の下、ウクライナ危機も加わり、欧州の政治・外交の独立性に影響が及んでいることから、アジア太平洋の問題に介入するのは、米国のグローバル戦略に協力してこの機会に自らの影響力を拡大したいためだ。

 南海は平和の海であり、南海の平和と安定の維持は地域の国々に共通する願いだ。「南海における関係各国の行動宣言」は、関係国が争いを複雑化し、拡大し、平和と安定に影響を及ぼすような行動を取るべきではないと規定している。フィリピンによる仙賓礁でのやることなすことが、同宣言の精神と地域の国々の共通の期待に背くものであることは明らかだ。

 先ごろ開催された中国と米国の新たな戦略対話で、中国は米国に対し、二国間条約を口実として中国の主権と領土の完全性を損なうようなことをしてはならない、フィリピンによる権利侵害を支持・放任してはならないと明確に要求した。米国は、同盟システムの強化を通じて中国に反対することを求めず、中国と衝突するつもりもないと重ねて表明した。その言葉がまだ耳に残っているうちに前言を翻すような米国が信頼されようか。EUも言行を慎み、南海問題に介入して自らの利益と国際的な信用を損なうようなことをしてはならない。(CRI論説員)

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