北京
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新疆で養殖される「砂漠のカニ」
秋風が吹き始め、中国人がカニを食し菊をめでる季節になりました。ここ数日、中国北西部新疆ウイグル自治区からの、砂漠付近の湖などで養殖されるカニが市場に出回り、多くの消費者の人気を集めています。
新疆の和田(ホータン)県はタクラマカン砂漠の縁に位置しており、ここのアルカリ性の砂地は植物が生存するのは難しいものの、独特の土には水産物の養殖に必要な養分が豊富に含まれています。技術者の努力により、現地では砂漠の水域でカニを養殖し、現地の農家の生活を豊かにする方法を模索しています。ここ数日、現地の湖などで養殖される「砂漠のカニ」が相次いで出荷され、全国で販売されるようになっています。カニ養殖業者が養殖池に沈められたカニのかごを引き上げ、滑らかな甲羅の、元気いっぱいなカニを捕獲します。このカニは今年4月に東部の江蘇省から空輸された3万トンの稚ガニが、4カ月余りの養殖期間を経て捕獲期を迎えたもので、今年の生産量は14トンに達する見込みです。
データによると、新疆には面積約76万ヘクタールに及ぶ内陸性水域があり、そのうち魚やカニの養殖に適した水域の面積は34万ヘクタールで全国でも第4位となっています。これは大面積の砂漠を抱える新疆に豊富な魚介類養殖の可能性をもたらしています。
新疆水産科学研究所の統計によると、現在、新疆でカニを養殖している拠点は数十カ所に達しています。一般的に春に稚ガニを仕入れて養殖し、8月末から9月初めにかけて集中的に出荷します。水域面積が200ヘクタール以上で養殖の条件を備えた貯水池ではすべてカニが養殖されています。新疆では蟹の養殖は基本的に湖や貯水池などの面積の広い水域がメインで、水田での養殖がサブとなり、池での養殖がそれらを補うという構造が形成されています。
この秋、新疆からのカニ、サーモン、アイヅユキマス、バナメイエビなどの新鮮な水産物が次々に市場に出荷され、販売シーズンを迎えます。(任春生、坂下)
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