北京
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中国では9月が新学期で、最近では新入生が次から次へと大学に到着しています。北京大学のある新入生は特別な方法で大学生活をスタートしました。上海から15日間をかけ、1328キロの距離を自転車をこいで北京大学に乗り込んだのです。彼の名は丁文鑫といいます。
丁さんは中国南東部に位置する江西省新余市の出身です。大学入試の前、彼は既に自転車で大学に乗り付け、特別な形で大学生活をスタートさせる決意を固めていました。「自分の青春をより豊かにし、より素晴らしい思い出を残せると同時に、自分の能力も鍛えられる」と彼は心境を語りました。
走行中の丁文鑫さん
丁さんは大学入試が終わるとすぐに自転車を買い、もっぱら自転車に乗る訓練をして、体力と運動能力を高めようとしました。ほかにも、自転車の修理技術も学び、タイヤ交換の練習をしたり、起こりえる問題をリストにして一つ一つ準備するとともに、緊急の事態に備えて、事前にルートや緊急時の対策も練りました。
ご両親は当初、この計画に賛成していませんでしたが、彼の強い意志に押されて、最終的に同意しました。こうして、丁さんは1枚の地図を頼りに、自転車をこぎ、計画したルートに従って、上海から北へ向かって出発しました。毎日宿泊先に到着すると、丁さんはすぐに家族に無事を報告するようにしていました。
旅の途中、丁さんは夜空を流れる流星や、雨上がりの虹、山頂から昇る朝日を拝み、たくさんの心温かい人々にも出会いました。それとともに、彼は熱中症になったり、豪雨に遭ったり、泊まるところが見つからなかったり、ろくに食事を取れなかったり、昼夜逆転で走ったり、パンクやブレーキの故障なども度々経験しました。
大変つらい思いをしながらも、彼は途中でやめようとは思いませんでした。始めたからには、最後まで進まなければならないと思っていました。「あまり余計なことは考えず、その日その日の目的地にたどり着くことで精いっぱいだった。どうしても耐えられない時は、いままで通ってきた道中でのことを思い出し、仲間と励まし合い、前に進み続けた」ということです。
丁さんは、今回の経験を通して今後の人生で困難に直面した時にも乗り越えられる「宝典」を手にしたと信じていると話しました。(閣、坂下)
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