カメ13匹の養育権をめぐる離婚訴訟 感情と法律の折り合い

2024-08-26 11:36:22  CRI

 現代の中国社会では、離婚訴訟におけるペットの養育権確定が一般的になってきました。先ごろ開かれたある夫婦の離婚訴訟では、争点が子どもではなく13匹のかわいいカメを巡るもので、この案件はソーシャルメディアで熱い議論を引き起こしました。法律上、ペットはどちらの側に帰属すべきかについて、多くの人が関心を示しました。

ペットのカメ

 中国中部湖北省武漢市東西湖裁判所では、一風変わった離婚調停が注目を集めました。争いの焦点はよくある不動産や財産分割ではなく、13匹の罪なきカメでした。夫婦は共に30歳前後で、性格の不一致で離婚を決めました。離婚の過程で、ブランドバッグや携帯電話などの財産を除いて、二人の最大の争点は18万元(約363万円)もするペットのカメでした。

 夫はペット店を経営し、カメに深い愛情とプロの飼育能力を持っているのに対して、妻はカメの購入で半分出資したものの、飼育が得意でないと率直に認めています。争いの中で、夫はカメが妻のところで適切な世話を受けられないと心配し、妻は自分の財産権益を主張し、経済的補償を求めました。

 法廷で、裁判官は双方の訴えに耳を傾けた上、法律の条文から感情的価値まで一つ一つ分析しました。ペットは伝統的な意味での「養育権」の対象ではありませんが、夫婦の共有財産として、その分割は現実と感情を両立させる必要があると強調しました。そして、双方との入念な意思疎通を経て、最終的に「妻はすべてのカメを引き渡すと同時に、夫は8万元(約161万円)を補償として支払う」との妥協案を成立させました。

 調停書の署名に伴い、カメをめぐる争いは幕を閉じました。カメは再び夫のところに戻って、引き続きプロの世話と愛情を受けられるようになりました。この特殊な調停は、夫婦間の財産紛争を解決しただけでなく、伝統的な財産処理とは異なる場合の法律の柔軟性と温かさを体現し、ペットに最適な居場所を見つけることができました。(閣、榊原)

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