北京
PM2.577
23/19
中国では新学年が秋に始まります。その関係で、今の季節には大学入学などに関する「ちょっといい話」がしばしば紹介されます。中国西部の青海省西寧市にある湟川中学の、日本の高等学校に相当する高級中学課程を卒業した劉傲寒さんは大学入学試験で、同省の理系受験者中の64位の625点を獲得したことで、北京航空航天大学の宇宙開発の人材を育成する未来空天領軍計画への入学を認められました。一方で、父親の劉建波さんは中国南西部にある広西師範大学の合格通知書を受け取りました。
大学合格通知書を受け取った劉建波さんと劉傲寒さんの父子
息子の劉傲寒さんは中学時代、成績があまりよくありませんでした。父親の建波さんは息子がよい勉強の習慣をつけることを助けるために、一緒に勉強を始めました。建波さんはかつて、高校の入学試験で青海省黄南チベット族自治州で1位の成績を獲得しましたが、家庭の経済上の事情のために、進学は断念しました。建波さんの息子に対する当初の考え方は単純なもので、「私は勉強好きなので、その考えを息子に伝えようと思って一緒に勉強することを始めた」とのことです。
父子はその時から、毎日一緒にインターネット授業を受け、授業の重要な点について意見を交換し合いました。息子の傲寒さんは、徐々にではありますが目に見えて進歩し始めました。傲寒さんは「父は私の手本だ。父のまじめな学習態度は、私を上回ることもある」と言いました。
父子が一緒に勉強することは高校まで続きました。父の建波さんは、息子と一緒に勉強することは、父としての責任を全うすることだと考え、さらに、父という身分以外にも、もっと良い自分になりたいと望みました。建波さんは慎重に考えた結果、大学を受験することにしました。息子の傲寒さんが高校2年の時でした。父子は共に、大学入試の受験勉強を本格的に始めました。建波さんは数学が得意な息子にしばしば教えを請い、一方で国語が得意な建波さんは、息子に国語の難しい問題を与えました。父子はこのように、助け合いながら共に進歩していきました。
父子が良い成績を取れた裏には、母親の支えが欠かせませんでした。傲寒さんの母親である張素閣さんは、「大学生2人を養うお母さんは大変なのではないかとみんな心配してくれる。私は実際に母として誇りに思っている。勉強好きな夫と立派な息子がいるからだ。家族は離れて暮らすことになるが、心はずっと一緒だ」と話しました。(Mou、鈴木)
KANKAN特集