北京
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中国では最近、「中薬アイス」と呼ばれる新しいスイーツが上海、武漢、ハルビンなど複数の都市で大ブレイクし、話題を呼んでいます。人気のフレーバーには、ミントとスイカ霜(スイカの表面に霜のような結晶がある喉の炎症を鎮める薬)、サンザシとブッシュカン、川貝母(せんばいも)とビワ膏(呼吸器系など治療用のシロップ薬)などが挙げられます。どれも中薬ハーブの要素と成分を取り入れており、買い求める消費者が長い列を作って、しばしば品切れになります。
△長い列を作って中薬アイスを買い求める消費者
「味は確かに中薬を再現している」「中薬とアイスの出会い、どのような味のコラボが演出できるのか、クリエイティブ度満点だ」と消費者は関心を寄せていますが、「咳が出るまで冷やしているのに、咳止め効果があるのか」と質疑の声も上がっています。
中薬の成分が入っているアイスは本当に美味しさと養生を両立できるのでしょうか?これについて、中国の東南大学付属中大医院臨床栄養科の金暉主任は、「中薬アイスに養生の効果はない。アイスのような冷たい食べ物を食べること自体が養生に良くない」との見方を示しました。
実際、中薬関連食品が中国で現れたのは新しいことではありません。「中薬+」はすでに多くの食品に火が付いています。少し前から人気のある中薬ティー、中薬パン、中薬コーヒーから、最近登場した中薬アイスなど、近年、新しい中国式ハーブの理念を打ち出した中薬食品が若い消費者の間で人気を呼んでいます。
これに対して専門家は、「薬膳などの食事の養生は流行に従って進化し、新しいアイディアや革新がどんどん生まれるものの、科学的な論証と厳格な監督管理を踏まえた運営が必要で、消費者に本当に有益で効果的な保健養生製品を提供しなければならない。だが、一部の経営者は中医の医食同源文化を十分に理解せず、中薬の成分を勝手に食品や飲み物に添加し、『商業的な味』が『中薬の味』よりも濃くなっていることから、中医学の文化が誤解、もしくは歪曲され、消費者をミスリードして消費者の健康にダメージをもたらす恐れがある」と懸念を示しました。(Lin、榊原)
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