北京
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中国浙江省温州医科大学付属第二病院(温医大付属二院)でこのほど、何さんという男性(40歳)を診察し、何さんはノリを食べたことが原因で集中治療室(ICU)に入れられました。
何さんは普段からお酒が大好きで、毎日、ノリや昆布をつまみにしながら350グラムほどの白酒(バイジウ、中国発祥の蒸留酒)を飲みます。先月、何さんは家で酒を飲んだ後、突然肝硬変の症状に襲われ、温医大付属二院の感染科に運ばれて診察を受けました。検査の結果、何さんには高カリウム血症の症状が見られ、カリウムを下げる治療を受けましたが、何度も治療を行ったにもかかわらず、なかなか血清カリウム値が下がらないばかりか、血清カリウム値が6.59 mmol/L(ミリモル・パー・リッター)と異常に高いことで、ICUに移されました。
ある日、看護師が、何さんが病院の治療食のほかに、持参したノリを食べているのを発見しました。何さんは看護師に、「普段からノリや昆布をつまみに白酒を飲むのが好きなんだ。病院の規則は知っていて、お酒は飲んでいないが、ノリを持ってきて食べている」と話しました。1日3食、1食に100グラムほどのノリを食べることで入院生活の味気なさを紛らわそうとしていた何さんには、もう少しで命を落とすところだったとは思いもよりませんでした。幸いなことに、看護師に見つかってすぐにやめさせられ、カリウムを下げる治療を2日間受けたことで、何さんの血清カリウム値は4.07 mmol/Lまで下がり、順調に一般病棟に移され治療を続けました。
温医大附二院ICU責任者の王瑞麗医師は「ノリはごく一般的な家庭料理だが、カリウム含有量が驚くほど高い、典型的な高カリウム食品だ。100グラムのノリに含まれるカリウムは1796 ミリグラムで、1日3食だと、カリウムの摂取量は相当高くなる。カリウムの過度な摂取は高カリウム血症を引き起こすが、この病気は命に関わるものだ」と述べました。
王医師によると、高カリウム血症はカリウムイオンの代謝異常による電解質の乱れが引き起こす病気で、体内のカリウム含有量の上昇あるいはカリウムの排出が制限されることで引き起こされるものです。正常な血清カリウム値は3.5~5.3 mmol/Lで、6.5mmol/L以上になると、筋無力症または筋肉のまひ、心臓伝導障害(PCCD)および不整脈が現れ、同時に、下痢、筋肉痛などの不快感を伴い、深刻な場合は命を落とす可能性さえあるということです。(Mou、坂下)
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