北京
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23/19
70歳近い工芸美術家の李鴻鵬さんはこのほど、4年かけて86万字に上る中国4大古典小説の名作「西遊記」の微細彫刻を完成しました。紅白が入り混じった部分に、師弟4人が歩くシーンを彫り出し、やや平らな部分にはびっしりと字が並んでいます。李さんは中国東北地区の吉林省出身で、10年かけて石に古典小説の「紅楼夢」と「西遊記」の微細彫刻を彫り、完成させました。
李さんの願いは、4大名作(残り2部「水滸伝」「三国演義」)すべてを微細彫刻し、一般公開することです。李さんは今回完成した2部について「61万字の『紅楼夢』を完成した経験があったので、『西遊記』の創作は比較的スムーズだった。石選びやデザインから彫り始めまですべて整然とでた。だが途中で克服すべき難点もあった」と述べました。李さんによりますと、「紅楼夢」を彫る石材は表面が比較的平らだったが、「西遊記」の場合、カーブがありました。
86万字の「西遊記」の微細彫刻
石材の表面のやや平らな部分に、びっしりと字が並んでいる
この難題をクリアーするために、石材の表面に格子を打つことにしました。「一つの格子は平均0.6ミリで、彫るときに参照できるので、カーブに影響されなくなった」と李さんは紹介しました。完成度の高い作品にするため、落ち着いて彫ることができる、静かな夜更けに作業を始めることがほとんどでした。
李さんは、「道具はすべて自家製で、例えば、彫刻刀は針の先よりもずっと細い。使用中もよく磨く必要がある。じっくりと作品を完成する過程は何よりの楽しみだ」と述べ、「微細彫刻で名作を石に刻むことは鑑賞する価値だけでなく、コレクションや伝承の価値もある。微細彫刻に使う石はすべて名石で、傷みにくい」と微細彫刻を作成する心情を語りました。(朱、榊原)
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