北京
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中国科学院金属研究所の研究チームは長期にわたる研究を通じて、金属素材に直径100ナノメートル以下の穴を分散分布させることで、塑性を損なわずに逆に向上させ、密度を下げ、さらに強度を大幅に高めることを実現しました。この成果は9日、国際学術誌「サイエンス」(電子版)に掲載されました。
ナノホール技術を駆使した金属素材の内部構造
航空宇宙、自動車、民生用電子機器などの重要な分野では、新しい軽量高強度素材の発展が強く求められています。金属素材の軽量化では一般に、軽量なアルミニウムやリチウムなどの元素を添加することによって実現されてきました。
ナノホールを導入することは従来の方式より直感的かつ効果的で、よりクリーンな素材軽量化の方法です。しかし一般的には、少量の穴が存在するだけで、素材の強度や塑性などの力学的特性が急激に低下します。中国科学院金属研究所のチームは長期の研究を経てこの問題を克服し、素材に直径が100ナノメートル前後またはそれ以下の穴を分散して存在させることによって、塑性を損なわないばかりか塑性を高めると同時に、素材の密度を低下させ、強度を大幅に向上させることを実現しました。
実験データによると、「ナノ級」の穴を入れた新素材は、永久ひずみが発生する限界値である降伏強度が50%~100%向上、すなわちより高い荷重耐性を持ちます。この新しい強化方式は材料の軽量化とリサイクルに役立つだけでなく、素材が本来持つ熱伝導などの優れた物理性能を最大限度に保持することができ、将来的には航空宇宙など多くの分野で応用されることが期待されます。(Mou、鈴木)
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