中国出身のノーベル物理学賞受賞者のツン=ダオ・リー(李政道)氏が死去 97歳

2024-08-05 19:57:07  CRI

ノーベル物理学賞受賞者のツン=ダオ・リー(中国名は李政道)氏

 中国生まれの著名な物理学者でノーベル物理学賞受賞者のツン=ダオ・リー(中国名は李政道)氏が4日に死去しました。97歳でした。

 中国科学院高エネルギー物理研究所によると、リー氏は1926年11月24日に上海で生まれ、1946年にアメリカに留学し、1950年にシカゴ大学で博士号を取得しました。1953年にはコロンビア大学で教職に就き、1956年に教授になりました。

 リー氏は1957年に、素粒子間の弱い相互作用におけるパリティー(対称性)の破れについての理論により楊振寧氏とともにノーベル物理学賞を受賞しました。上海交通大学李政道研究所によると、この理論は素粒子関連のパリティーについての世の中の認識を徹底的に変え、人類が微小世界を探求する新たな扉を開き、物理学の進歩を促しました。中国系研究者が世界最高の科学栄誉を獲得したのはリー氏と楊氏の事例が初めてだったとのことです。

 リー氏はそれ以外にも、リーモデルやKLN(木下・リー・ノウンバーグ)定理を相次いで提出し、場の量子論、素粒子理論、核物理、統計力学、流体力学、天体物理、物性物理学、量子力学など多くの分野で傑出した成果を収めました。

 李政道研究所の公式サイトによると、リー氏は祖国への深い思い入れと愛着に満ちており、1972年から何度も中国に戻って講義を行いました。リー氏は1980年代初頭には中米共同物理大学院生募集計画を提唱して創立し、それ以来、中国博士研究員移動基地と中国博士研究員科学基金の設立を提唱してきました。また、李正道講演基金も設立し、中国の科学技術や教育、人材育成に多大な貢献をしました。(HJ、鈴木)

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