【観察眼】日米「2プラス2」はアジア太平洋の平和を脅かす

2024-08-02 13:29:31  CRI

 7月28日から29日にかけて、日米両国の外務・防衛閣僚協議「2プラス2」や日米韓防衛相会談、日米豪印4か国の枠組み「QUAD (クアッド)」の外相会合など一連の二国間・多国間会議が東京で開催された。米国が主導するこれらの会議にはそれぞれに重点内容があるが、核心はいずれも中国の内政に口出しをして、地域の同盟国を懐柔し、中国を抑制することにある。

 これに対し、中国外交部アジア司の劉強松司長は7月30日、駐中国日本大使館の横地晃首席公使と会見し、これらの会議期間中における中国に関する消極的な言動や会議文書中の多くの誤りや詭弁、危険な動向、虚偽のストーリーに厳正な申し入れを行い、深刻な懸念と強い不満を表明した。中国外交部報道官もまた同日の記者会見で、域外諸国を抱き込み、地域の分裂・対決を作り出すことをやめ、平和的発展の道を歩むよう日本側に求めた。

 ここ数年来、米国は「米日」を基礎とした閉鎖的かつ排他的な「小グループ」を形成してきた。そして米日韓、米日フィリピン、米日印豪などの「小グループ」によって中国の発展を抑制し、地域問題への介入を強化している。米国によるこれらの「小グループ」の形成は、他国の戦略的安全を米国の覇権維持の犠牲にするものだ。たとえば米国は近年、日本に対して軍事技術と装備の支援を絶えず提供し、日本が軍事力を増強するよう促している。表面的には日本の軍事力強化を助けているように見えるが、実際には日本をより深い軍事的泥沼に陥れている。

 7月28日に発表された日米「2プラス2」の共同発表では、来年早々に日本が陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合作戦司令部」を創設することに合わせ、米国は在日米軍を再編し「統合軍司令部」を新設することを確認した。オースティン米国防長官は、これを日米軍事関係の「70年間で最大の改善の一つ」としている。米メディアによると、これは駐日米軍司令部が主に行政機能を担う役割から、全軍種あるいは連合部隊の本部に格上げされ、日本側と大規模な作戦を計画できるようになることを意味している。

 ロイター通信は、米国による在日米軍司令部の大規模な改革計画の発表には、同盟国軍との協調を深める意図があり、また、日米両国はいわゆる「中国脅威論」を煽り続けていると報じた。また、日米は中国をこの地域における「最大の戦略的挑戦」と見なしていると指摘している。

 しかし、日本が米国との軍事的連携を強化すればするほど、日本の安全保障上のジレンマは深刻化する。日本の毎日新聞は、在日米軍の「統合軍司令部」について、「課題は、自衛隊がいかに指揮権の独立性を担保できるか」にあると指摘し、「日米両政府は、米軍と自衛隊の指揮・統制が統合されることはないと強調する。ただ、米軍は情報量や装備で圧倒的に自衛隊を上回っている。米軍への依存が強まれば、事実上の『一体化』が進み、日本の自律性が揺らぎかねない」と懸念を示した。

 日米「2プラス2」の共同発表の当日、会議の開催地付近で多くの日本人がデモを行い、日米が軍事などの分野で同盟関係を加速させ、地域情勢を混乱させることに抗議した。

 アジア太平洋は平和発展の地域であり、地政学的な闘争の場ではない。アジア太平洋諸国は協力を期待し、対立に反対している。日米両国が仮想敵国を作り出し、アジア太平洋地域に新冷戦思考を持ち込み、地域の平和と安寧を乱す行為をやめるよう促す。(CMG日本語部論説員)

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