北京
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山林火災の資料写真
中国南西部の貴州省高級人民法院はこのほど、省内の黔南州茘波県人民法院が独山県上司鎮で、被告人である盧なにがしに対する失火罪の公開審理を行ったことを明らかにしました。盧被告は法廷で、「自分をかんだアリを懲らしめてやろうと思っただけで、自分の浅はかな行動が山火事を引き起こすことになるとは思いもよらなかった。本当に後悔している」と陳述しました。実は、盧被告のこのアリへの仕返しが山火事を引き起こし、甚大な被害をもたらしたのです。
69歳の盧被告は3月24日、山でワラビを摘んでいたとき、うっかりアリの巣を踏んでしまい、アリが足にはい上がってきました。思わずかっとなった彼女は持っていたライターでアリの巣の周りの枯れ草や木に火をつけてその巣を焼き払おうとしました。しかし、空気が乾燥していた上、風が強かったため、火の手が急速に回り、とうとう森林火災になってしまいました。火災発生後、地元の消防隊や救助隊が迅速に出動し、共同で火災を鎮火させました。この火災による総被害面積は47.37ヘクタール、損失総額は約141万6954元(約3000万円)で、そのうち直接の損失が約68万8466元(約1459万円)、間接損失は約72万8487元(約1543万円)でした。
茘波県人民法院は審理の結果、「被告は過失により野外で火を使い、森林火災を引き起こした。これによる森林の総延焼面積は47.37ヘクタールに達し、その行為は失火罪に該当する。被告の犯罪行為は生態環境を破壊し、公共の利益を損なうもので、刑事罰の対象となるだけでなく、相応の民事上の不法行為責任も負うべきである。しかしながら、盧被告が自発的に罪を認め、処罰を受けることに同意していることに鑑み、法に基づいて寛大な処遇を受けることができる」として、盧被告に対し、失火罪で懲役8カ月を言い渡した上で、2025年3月30日までに植林を終えるとともに、その活着率が85%以上となるよう保障して緑を回復させなければならないと命じました。
判決の後、盧被告は法廷で罪状と処罰を認め、控訴しないことを表明しました。(朱、坂下)
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