北京
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7月29日は第14回の世界トラの日でした。中国東北部の黒龍江省の文化観光庁と林業草原局、東北林業大学はこの日、黒龍江省東北虎林園で世界トラの日にちなんだ一連のイベントを行いました。その開幕式では、飼育されているトラの中には野生の絶滅した分枝の子孫がいる可能性があるなどとする、最近の研究成果が発表されました。
△「ビンビン」「ニーニー」の原型であるアムールトラ
東北林業大学の于海鵬副学長は、同大学と中国横道河子ネコ科動物飼育繁殖センターの提携による研究成果を発表しました。双方は2022年にネコ科センターで飼育されている1頭のアムールトラをモデルにして、「飼育アムールトラ染色体レベルの参考ゲノム」を構築して発表しました。2023年にはネコ科センターに保護された1頭の野生アムールトラをモデルに、「野生アムールトラ染色体ハプロタイプ参照ゲノム」を構築して発表しました。これまでに430頭分のアムールトラのゲノム配列のより詳しい決定作業が完了したとのことです。これまでの全ての分析によって、以下の3点が分かりました。
第1点は、ネコ科センターに飼育されているトラの個体群の遺伝多様性は中国の野生個体群よりも豊富だということです。ゲノムのヘテロ接合度は野生個体群より41.3%高く、近親交配係数は野生個体群より41.9%低いとのことです。飼育されているアムールトラの有害遺伝子の突然変異は高いヘテロ接合状態で存在していることは、遺伝の質が良好で、絶滅リスクが低いことを示しています。
第2点は、人工飼育されている個体群から他の亜種の遺伝子成分が検出されなかったことです。このことは、同個体群の遺伝子バンクが汚染されておらず、極めて高い純粋性を持っていることを示しています。
第3点は、この個体群の中のいくつかの系統分枝は現在の野生個体群と明らかに異なる単一の祖先成分を示していることです。これらの分枝は野生ではすでに絶滅した分枝である可能性があると推測されています。このことは、この飼育個体群の遺伝子バンクにはより広範な由来があり、将来には野生として絶滅した分枝を回復するための貴重な資源であることを意味しています。
東北虎林園で行われたこのイベントは2025年にハルビンで開催される第9回アジア冬季大会のカウントダウン200日のシリーズイベントの重要な一環でもありました。東北虎林園はアジア冬季大会のマスコット「ビンビン(浜浜)」と「ニーニー(妮妮)」の原型であるアムールトラが暮らす場所として、賓客と来場者に巨大なケーキを用意して、「ビンビン」「ニーニー」の着ぐるみを身につけた人が賓客らと共にケーキを切り、アジア冬季大会に参加するすべての選手がトラのような勢いに満ちて、競技で最高水準を発揮できるよう祈りました。(ZHL、鈴木)
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