北京
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パリ五輪で28日に行われた卓球女子シングルス1回戦ではルクセンブルクチームの一員として出場した、61歳の中国系のニー・シア・リェン(倪夏蓮)選手が勝ち、卓球競技場で勝利した最高齢の選手になりました。
ニー・シア・リェン(倪夏蓮)選手
ニー選手はパリ五輪の開会式でルクセンブルク代表チームの旗手を務めました。1回戦で勝利を収めたニー選手は「応援していただいたすべての人に感謝します。私は(卓球女子シングルスの)最高齢の選手で、奮闘している子供のお手本です。競技場では自分の年齢を忘れていますが、16歳だったらいいなあとは思っています」と興奮しながら、喜びを語ってくれました。
ニー選手は1963年に上海で生まれ、1979年に中国の卓球ナショナルチームに入りました。1983年の東京世界卓球大会では郭躍華選手と組んだ混合ダブルスで金メダルを獲得しました。1986年に引退した後は海外に滞在し、1990年代からルクセンブルクの代表として国際試合に出場するようになりました。そして37歳だった2000年のシドニー五輪にルクセンブルク代表として出場し、五輪出場の夢をついに叶えました。今回のパリ五輪は6回目の五輪出場です。
ニー選手はルクセンブルクのスポーツ界の「レジェンド」であり、自らが努力することでルクセンブルクの卓球を大きく発展させました。ニー選手のけん引もあり、パリ五輪の卓球種目では、もう2人のルクセンブルク人選手が出場しています。
ニー選手は年齢についての質問に対して「私は、『今日のあなたは明日より若い』といつも信じています。夢があれば、年齢はさまたげにはなりません」と答えました。
この言葉はパリ五輪の卓球競技場に姿を現した58歳のジーイン・ズン(曽志英)選手にも当てはまります。ズン選手はチリチームの一員として出場しました。力及ばずして1回戦で敗退しましたが、ズン選手はようやく自らの五輪出場の夢を果たしました。つまり、これはズン選手が出場できた初めての五輪大会でした。
ジーイン・ズン(曽志英)選手
ズン選手は9歳で卓球を始め、17歳だった1983年に中国代表の一員になりました。しかし思うような成績を残せず、3年後には代表チームからはずされてしまいました。ズン選手はその後、チリに渡りました。ズン選手は50歳を超えた2019年に競技場に復帰することを決め、たゆまぬ努力を経て、パンアメリカン選手権で好成績を獲得して五輪の出場資格を手に入りました。
ズン選手は試合後のインタビューで、「ようやく五輪競技場に来ました。とても興奮していて、居ても立ってもいられませんでした。少し怖かったのですが、しばらくして監督に、このような場面はたくさん経験してきただろう。何が怖いのか。ただの別の普通の試合だよと言われました」と説明しました。ズン選手の92歳の父親は徹夜をしてテレビ観戦で、息子さんは観客席で応援してくれました。試合には負けましたが、ズン選手はその結果を平常心で受け止めており、「負けましたが、傷ついてはいません。競技スポーツとは、このようなものです」と語りました。(藍、鈴木)
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