北京
PM2.577
23/19
「中国国民メンタルヘルス発展報告」によりますと、18歳から34歳の若者の不安と憂鬱(ゆううつ)のレベルは他の年齢層よりも高く、仕事、家庭、収入、健康からのストレスが不安を招く要因となっています。これにより、若者の消費行動は機能重視から感情(エモーション)重視へと転換し、精神的な満足感を得られるかどうかは若者が商品を選択する際に重視する要素となっています。感情の要求に合致し、精神的な満足感をもたらすエモ(エモーショナル)消費が注目され、消費の拡大につながる新たな成長ポイントとなっています。
△バーチャルのエモ商品がネットで人気
ここしばらく、新しい形のバーチャル商品が中国の若者の間でひっそりと流行しています。1元(約21円)足らずの安値で「アインシュタインの脳」を購入すれば、「自分の脳となり、知らぬ間に聡明(そうめい)になるかもしれない」と言われています。外出する時「ラッキースプレー」を持ち歩いてたびたびスプレーすれば、好運で良い気分になります。恋人と別れた後に「失恋の友」を注文すると、見知らぬ人から心のこもった慰めを受けることができ、マイナス感情を緩和することができます。「恋愛脳を罵倒する」サービスは別れの痛みから抜け出し、苦しみに溺れる若者を慰めて前進する勇気を与えてくれます。また、秘密を打ち明けられるネット空間を借りて自分の憂鬱な気持ちを打ち明け、「褒め褒め部族」を通じてたくさんの称賛を得たりすることは、多くの若者の共通した選択となっています。
このような商品取引ページには、通常、「バーチャル商品であるため出荷不要」「娯楽アイテムであり、気に入らなければ購入しないでください」などの注意書きが表示されています。ある業者によると、これらのバーチャルなエモ商品の販売は、多い場合は月に数万元の収入があり、顧客層は主に20〜30代の若者とのことです。
南京大学社会学院心理学部の張洪教授は、「エモ消費には消費の仮想化、消費行動の記号化、心理学的補償などの特徴が見られる。経済成長、都市化の進展、社会構造の変遷、インターネットの全面的な普及とともに育った若者は、その消費行動において商品の機能と生活の質だけでなく、感情に対する要求もますます高くなっている。自分を喜ばせる消費を通じて、『うれしい』『楽しい』などの感情を得て、メンタルと秩序ある生活を維持するためにプラスだ」と分析しています。(ZHL、榊原)
KANKAN特集