北京
PM2.577
23/19
月に水が存在するかどうかは、月の進化に関する研究と資源開発にとって極めて重要です。中国科学院物理研究所が23日に明らかにしたところによりますと、中国の科学者はこのほど2020年に無人探査機「嫦娥5号」が月から持ち帰った試料の土壌から、水の分子とアンモニウムを多く含む未知の鉱物結晶を発見しました。これは科学者が月の土壌から水分子を初めて発見し、水分子とアンモニウムの月での実在形態を明らかにしたものです。これらの研究成果はこのほど、天文学専門オンライン限定ジャーナル「ネイチャー・アストロノミー」に掲載されました。
△月面の含水鉱物の形成を示すデザインスケッチ
嫦娥5号が採取した月の試料は、今から約20億年前の最も「若い」玄武岩で、これまで人類が採取した最も緯度の高い月の試料です。科学者は嫦娥5号が持ち帰った月の試料から、これらの月の水とアンモニウムが水和鉱物の形で現れていることに気づきました。この鉱物の分子式には最大6つの結晶水が含まれており、試料中の水分子の質量は41%に達しています。科学者は赤外線スペクトルなどの専門機器を利用して、水分子やアンモニウムに由来する特徴をはっきりと確認し、さらには水分子中の水素もはっきりと観察することができたということです。
1969年から1972年にかけてアポロ計画で集めた試料に対する国際科学界のこれまでの研究によると、月の土壌から水を含む鉱物はいかなるものも発見されていませんでした。その後、月に水が含まれていないことは月面科学の基本的な仮説となり、月火山の進化、月と地球の起源などの問題の認識に重要な影響を与えました。中国の科学者による今回の発見の正確性を確保するため、研究者は化学と塩素同位体分析を行いました。それにより、同鉱物の塩素同位体組成は地球の鉱物と著しく異なり、月の鉱物と一致していることがわかり、地球の汚染やロケットの排ガスが発生源である可能性を排除しました。
専門家は、今回発見された水和鉱物には水分子だけでなく、アンモニウム、さらには少量のカリウムも豊富に含まれていることから、将来、月でこのような水和鉱物を大量に見つけることができれば、人類の月資源の開発と利用に新たな可能性を開くだろうと期待を寄せています。(ZHL、榊原)
KANKAN特集