北京
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中国中部の河南省ではこのほど豪雨が続き、注目を集めています。「豪雨によってマンホールのふたが流され、漯(とう)河市のある市民が雨の中の『警告表示板』に化身した」という動画は多くの人を感動させました。記者がこの市民に連絡して取材したところ、心温まる行動の背後には感動的な物語があることが分かりました。
自ら「警告表示板」となったのは、漯河市清源給水有限公司のパイプ整備員の劉涛さんという男性で、豪雨の中、膝まである水の中に立ち、雨に押し流されたマンホールのふたを足で支え、左手に傘を持ち、通り掛かる人や車両に向かって右手を振って、見えない水流や渦を避けるように注意していました。流されたのは汚水マンホールのふたで、本来なら劉さんの仕事とは関係ありませんが、車や歩行者がうっかりマンホールに落ちたら、どうなるか予断を許さないと考えて自らマンホールのそばに立って案内していました。そして、歩行者の安全を心配する劉さんは離れる前に「警告表示板」を設置し、雨の中でしばらく様子を見てはじめて現場を後にしました。劉さんがこのように丁寧にしたのは、その少し前に子どもを助けるために溺れて死んだ妻がいたからだということです。
それは7月8日のことでした。劉さんの妻は、川に落ちた子どもを助けるために自分が溺れて亡くなりました。家族を失った痛みを理解しているからこそ、劉さんは、自分のようなつらい思いをさせないように、いくら苦労しても、必ず通り掛かる歩行者や車を守り、悲劇を二度と起こさせてはいけないと思っていたということです。(Mou、野谷)
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