北京
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北京航空航天大学が明らかにしたところによりますと、同校エネルギー・電力工学学院の漆明浄教授と閆暁軍教授が率いる研究チームは、自然光のエネルギー供給で離陸と持続飛行を実現する静電気飛翔(ひしょう)体「クーロンフライ(CoulombFly)」(Coulombは電荷の単位)の開発に成功しました。この飛翔体は手のひらぐらいの大きさ(翼幅20センチ)で、重さはA4サイズの紙1枚よりも軽く(4.21グラム)、そのサイズは世界最小の太陽エネルギー飛翔体の1/10、重さは世界最軽量の太陽エネルギー飛翔体のわずか1/600にすぎません。
△静電気飛翔体「クーロンフライ(CoulombFly)」
このマイクロ・エア・ビークルは新型の静電気モーターをエンジンのコアとし、将来的には飛行時間を大幅に増やし、応用範囲を広げることになるとみられています。関連する研究成果はこのほど、科学誌「ネイチャー」にオンラインで発表されると同時に、「ネイチャー」と科学誌「サイエンス」のトップページにも推薦されています。
研究チームの責任者によると、小型、軽量、高い機動性などの特徴により、マイクロ・エア・ビークルは狭い空間で撮影や探査、輸送などの特殊任務を遂行することができ、国民経済分野においても明るい応用の見通しを持っています。しかし、この種の飛翔体は一般的に航続時間が短いという問題点を抱えています。飛翔体の重さが10グラム未満の場合、飛行時間は一般的に10分間を超えられません。これは、マイクロ・エア・ビークルは一般的に従来の電磁モーターをエンジンの駆動部品としていることから、マイクロ電磁モーターは回転速度が高く発熱が大きく、エネルギー変換効率が急激に低下します。マイクロ電磁モーターの効率が低下した後、電力供給に便利な自然太陽光をエネルギー供給源として採用すれば、太陽電池の面積に制限され、飛行需要を満たすことが困難になります。
このような難題を解決するため、研究チームはマイクロエンジンの原理面からブレークスルーを求め、新たな静電気駆動プランを提案し、微小サイズで回転速度が低く、発熱が少なく、効率が高いマイクロ静電気モーターを開発し、静電気飛翔体「クーロンフライ」の試験飛行に成功しました。同飛翔体は主に静電気エンジンと超軽量高圧電源で構成され、低消費電力と高揚力の優位性を備えており、完全な自然光によるエネルギー供給下でのマイクロ・エア・ビークルの離陸と持続飛行を初めて実現しています。(ZHL、榊原)
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