北京
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梅雨が明けたばかりの中国東部・浙江省では最近、暑い日が続いています。湖州市徳清県の鄧さんの家では、リンゴに「白いキノコ」が生えてきました。彼女がそれを撮影し、ソーシャルメディアに投稿したところ、注目を集め、このリンゴを買って研究したいという博士からメッセージが届きました。
スエヒロタケが生えたリンゴ
それは6月30日のことでした。鄧さんは朝、家を出る前に応接間の果物かごの中のリンゴの上部に何か白いものがあるのを見て、湿気でカビが生えたのだと思い、夜帰ってきたら捨てなければと思っていましたが、捨て忘れてしまいました。7月2日になると、りんごには白いキノコが生えていました。彼女が4日の夜、その写真をネット上に投稿したところ、6日に中国科学院昆明植物研究所博士課程の許容聚さんから、リンゴを買って研究したいとのメッセージが届きました。鄧さんはリンゴを無料で贈ることにし、翌日に航空宅配便で発送し、8日に昆明に届いたということです。
許博士は11日に、受け取ったリンゴを切開して観察し、接種して、「白いキノコ」が世界中に広く分布している有名な食用キノコのスエヒロタケだと鑑定しました。スエヒロタケは一般的には朽ち木に生える植物病原菌でもあります。これまでに桃や柿、ヤシの殻などに現れたことがありますが、リンゴに生えたのを見たのは初めてで、「この菌株はわずかな基質でもこれほど大きく成長でき、スエヒロタケ菌種の選抜育種の参考になる」との結論を出しました。
投稿された写真を見て、ネットユーザーからは「このキノコはリンゴの味がするのか」という疑問も出ましたが、許博士は「栽培して、皆の代わりに味見してみる」とユーモアのある返事を返しました。
中国科学院昆明植物所教授でエンジニアの趙琪氏によると、スエヒロタケは気温5~30度で相対湿度が70%を超える環境での生育に適しており、6月は江蘇省と浙江省では梅雨シーズンに当たる上、リンゴのヘタに傷があり、そこから入った胞子が芯まで拡散し、温度と湿度が適していたために、リンゴの頂部からスエヒロタケが生えてきたということです。(閣、坂下)
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