大学卒業シーズン 中国風の式服が大流行 中国

2024-07-08 14:12:23  CRI

中国風の要素を取り入れた式服を着用して撮影した、博士課程の卒業生

 中国では夏休み前に学年が終了するので、今がちょうど卒業式のシーズンです。中国の大学卒業生はアカデミックガウンと呼ばれる西洋風の式服を着用して卒業式に臨むことが一般的ですが、今年の傾向としては、漢民族の伝統的な民族衣装である漢服風の雲肩(肩飾り)やかんざし(髪飾り)など伝統的要素を取り入れた式服を着て記念写真を撮影する人も多いことです。「中華式」の衣装は消費市場のグレードアップを推進する要因の一つです。

 襟や袖に刺繍のある「襴衫」、伝統的な頭巾である「儒巾」、帯やひもの「絲条」,髪飾りの「宮花」、飾り布の「披紅」――。中国風の創作を紹介するブロガーの廷浩さんは、これらの明朝の服飾の要素を今年の卒業生の衣装に使いました。廷さんは4月ごろから、「どのようにして中国風の卒業記念写真を撮るか」「卒業式に際して中国風の服装をいかにしてコーディネートするか」といった質問へのアドバイスをしてきたとのことです。

 ソーシャルメディアを調べたところ、最近では多くの卒業生が中国風の衣装を着た卒業の画像や映像を投稿しており、再生回数が12万8000回を超えた動画もありました。アナリストによると、このようなブームが発生した背後にあるのは漢服市場の規模が拡大し続けていることであり、また、中国の伝統衣装の要素と式服を融合させるという革新的な試みは、卒業記念写真に個性を求める若い世代の気持ちを満たしているとのことです。

 ソーシャルメディアの運営スタッフである王秦鈺さんは、今年は「中国風卒業シーズン」が特にホットなキーワードであることに気づきました。現在までに1万人以上の学生が「中国風卒業シーズン」に関する内容を発表し、出身大学数は70校以上に及ぶとのことです。

 浙江省杭州市を拠点とする漢服の販売を手掛けるネット通販業者の運営責任者である朱鍇さんは、「6月には雲肩と式服がとてもよく売れました。小売単価は300元(約6600円)あまりです。累計販売量は4000件を超えて、前年同期と比べて97%以上増加しました」と説明しました。

中国風の式服を着用して卒業記念写真を撮影

 また、多くの写真館が「中国風卒業記念写真」の撮影サービスを導入しました。杭州市内のある写真館によると、中国風の卒業記念の組写真の撮影では、服装やスタイリングなども込みの価格が数百元から1000元(1000元は約2万200円)で、希望者が多いので現在も予約が厳しいとのことです。

 業界の研究報告書によると、中国の漢服市場の規模は2025年には191億1000万元(約4210億円)に達する見通しです。伝統的な中国衣装は海外市場も急速に拡大しており、例えば伝統的なスカートの馬面裾では、2023年に関連コンテンツをソーシャルメディアに投稿した人が、90を超える国と地域に及びました。(任春生、鈴木)

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