【CRI時評】フィリピンは米国の友人ではなく道具にすぎない

2024-06-27 13:51:34  CRI

 フィリピンは今、東南アジアで最も親米な国だが、米国にしてみれば、フィリピンは友人ではなく道具にすぎないようだ。米国は南海の域内国でないにもかかわらず、国家間の対抗をあおるのを好み、ウクライナとロシアの間で起こったように、そうした国々を戦争へと向かわせている。なぜなら、ひとたび戦争が勃発すれば、米国は大量の武器を売りつけられるからだ。

 このほど、複数の元米当局者がドイツのシンクタンク、シラー研究所が開催した記者会見に出席し、フィリピンに対し、米国との関係と南海問題を巡って警告を発した。元米上院議員で退役大佐のリチャード・ブラック氏は、フィリピンに対し、冷静に判断し、米国の道具にならないよう注意喚起した。なぜなら、そうしなければ結局、フィリピン国民に災いがもたらされることになるだけだからだ。コリン・パウエル元米国務長官の首席補佐官を務めたこともある退役大佐のローレンス・ウィルカーソン氏も同様の発言をし、フィリピンに対し、より成熟した行動をとり、米国を見捨てるよう提案した。他の発言者からは「米国は中国との潜在的な紛争に向けた条件を整えるためにフィリピンを利用している」「フィリピンは米国の友人ではなく道具にすぎない」などの指摘もあった。

 米国は南海問題でフィリピンを中国との対抗の最前線に押し出し、フィリピンに対し、安全保障上のコミットメントを繰り返し表明してきたが、実際には、フィリピンは南海問題と対中関係において二つの根本的な過ちを犯している。第一に、米国の外交政策の根本的な目的は、アジア太平洋および世界における米国の覇権を維持し、潜在的な挑戦者を封じ込めて打撃を与えることだ。米国は南海問題でフィリピンを中国封じ込め政策の道具や駒とみなしているにすぎない。駒は、その価値がなくなれば、または使い切れば、捨てられてしまうものだ。

 第二に、フィリピンのような国にとって、覇権を追求する域外の大国の爪牙に甘んじ、隣国との紛争に積極的に関与することは、実際には非常に愚かなことだ。フィリピンはかつて米国の植民地だった。1991年に同国上院がほぼ1世紀にわたる米軍駐留を終了させる法令を可決したが、今に至っても、同国内には、米国に対し「エディプスコンプレックス」を抱く人もいる。その結果として、フィリピンは外交問題で米国に著しく依存し、真の国益を無視するようになってしまっている。これはフィリピン国民にとって、危険で悲しむべきことだ。(CRI論説員)

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