北京
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「嫦娥6号」の月面着陸シミュレーション図
中国の月面探査機「嫦娥6号」の帰還モジュールが25日、中国北部の内蒙古自治区四子王旗着陸場に順調に着陸しました。これは「嫦娥6号」が人類として初めて、月の裏側でサンプル採取を行っただけでなく、月の裏側の貴重な土壌サンプルを順調に地球に持ち帰ったことを意味します。
人類はこれまでに10回の月のサンプル採取を実施していますが、いずれも月の表側でのものでした。そのため、「嫦娥6号」が今回持ち帰った月の裏側の土壌サンプルは、人類が月の起源や進化、それが地球に与える影響を理解するのに役立つため、世界の宇宙研究機関および宇宙ファンたちから広く注目されています。
2020年12月17日には「嫦娥5号」が、人類が初めて入手した月の表面の若い火山岩エリアのサンプル1731グラムを持ち帰っています。中国国家航天局はこの3年余りにわたって、国内131の研究チームに7ロット・計85.48グラムの科学研究サンプルを配布しています。科学者は初めて月で新鉱物を発見し、「嫦娥石」と命名しました。これは人類が月で発見した6種類目の新鉱物です。サンプルの地質年代測定を通じて、月の火山活動の終了時期が約8億年遅かったことが分かりました。
さらに「嫦娥5号」の月の土壌サンプルに関する最新の研究の結果、月面の中緯度エリアにおいて太陽風が月の地表粒子の表層に注入する水の量が従来考えられていたよりも多く、月の高緯度エリアには利用価値のある水資源が大量に含まれている可能性があることが分かりました。この発見は将来の月の水資源利用にとって重要な意義を持ちます。
専門家によると、「嫦娥6号」の着陸地点は月の裏側の南極エイトケン盆地地域で、ここは月で最古かつ最大の隕石衝突クレーターです。ここでサンプルを採取し、分析・研究することは、人類による月の裏側からのサンプル入手の空白を埋め、月の成因や太陽系の進化の歴史に関する人類の知識を深めることになります。
また、「嫦娥6号」が南極・エイトケン盆地の中の盆地であるアポロ盆地を採取地として選んだことは、過去に米国のアポロシリーズ、ソ連のLUNAシリーズ、中国の嫦娥5号が採取したサンプルとはできるだけ異なるサンプルを採取し、人類のより全面的な月の研究を助けるためです。(hj、坂下)
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