北京
PM2.577
23/19
先週末、欧州連合(EU)による中国製電気自動車(EV)に対する関税引き上げを巡り新たな動きがあった。中国商務部の部長は22日、求めに応じてEU欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商政策担当)とオンラインで会談し、双方はEUによる中国製EVに対する反補助金調査について協議を開始することで合意した。
同じく先週末、中国を訪問したドイツのハーベック副首相兼経済・気候保護相は中国側との会談で、「現状では関税引き上げは最悪の手段であり、貿易摩擦の激化という悪循環を招くことになる。唯一の解決策は対話と協議だ」と述べた。この発言は、関税引き上げに反対する欧州内部の理性派の態度を代表するものであり、関税引き上げによってもたらされるであろう深刻な結果に対する冷静な認識でもある。
EUは近年、中国に対し貿易紛争を絶えず引き起こしてきた。今年だけでも、EUは中国に対し31項目の貿易・投資制限措置を集中的に講じ、貿易摩擦の激化を招いた。その例として、中国製EVに対する措置を挙げると、EUによる反補助金調査の開始から、関税引き上げ方針の発表に至るまで、それらの多くが経済法則と市場ルールに反するものだ。
皮肉なことに、中国製EVに対する関税引き上げについて、EUは欧州の自動車産業を「保護」するためと主張しているが、欧州の政界・産業界からの批判の声は、連日にわたり一波が前の一波をしのぐような勢いで高まっている。欧州の自動車業界関係者は「中国製EVに対する高い関税障壁の設定は、欧州の消費者の利益を損ない、欧州と中国の自動車産業チェーンとサプライチェーンの協力を壊すもので、EUのグリーン・低炭素転換に遅れを生じさせている」と強調する。EUの関税引き上げが欧州全体の利益に合致しないことは、誰の目にも明らかだ。
保護主義では競争力を守れない。EU側に望むのは、イデオロギー的思考や短期的な利益に振り回されることなく、対話と協議を通じて、双方が受け入れられる、双方の利益に合致する結果を出すことだ。欧州と中国は、協力して初めて相互に利益を得ることができる。(CRI論説員)
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