中国の紫外線対策グッズ市場が2兆円規模に

2024-06-20 14:47:15  CRI

浙江省義烏市にある紫外線対策グッズメーカーの作業場

 夏の到来に伴い、街では頭から爪先まで紫外線対策をする人を多く見かけます。紫外線対策グッズが売れており、メーカーの競争が激しくなっています。商品はますます細分化され、1000億元(約2兆1700億円)規模の市場が形成されつつあります。

 中国東部の浙江省義烏市にある紫外線対策グッズのメーカーでは、作業員が今年の商品の生産を急いでいます。担当者によると、気温の上昇に伴い、同社の紫外線対策グッズは一時、供給が需要に追いつかない状態でした。向こう2カ月にもう一度出荷ピークを迎える見通しとのことです。

 この担当者によると、紫外線対策グッズ市場は昨年から盛況となり、ますます多くのスポーツブランドやファッションブランドが参入しています。同社は競争力強化のため、今年新たにUVカットパンツの生産ラインを追加するとともに、スマート生産ラインも配置しました。

 川下の紫外線対策グッズの活気により、川上の生地メーカーもビジネスチャンスを嗅ぎつけました。浙江省紹興市柯橋区の中国軽紡城にある店舗の責任者によると、ここ数年、UVカット生地の生産競争も激しさを増しています。今年生産するUVカット素材はナイロン製のものだけでなく、ニット製品もあります。また、川上の工場と協力し、よりUVカット率の高い糸を開発しました。

 データによると、2023年の中国の紫外線対策ウエアやグッズの市場規模は742億元(約1兆6100億円)に達しました。26年には958億元(約2兆780億円)に成長すると予測されており、紫外線対策グッズ産業は1000億元規模の市場を形成しつつあります。

 紫外線対策グッズ市場の盛り上がりを受け、過度な対策を疑問視する声も出ています。これに対し、医師は「科学的で適度な紫外線対策は必要で、日焼けによる肌のダメージを減らし、アンチエイジングなどにも役立つ。しかし、過度な対策は望ましくない」と指摘しました。

 上海の復旦大学付属華東病院皮膚科の石磊副主任は「数カ月にわたって少しも紫外線を浴びないと、ビタミンDの低下を引き起こし、骨密度の低下を招く。一年中または数年のビタミンD欠乏により、腫瘍の発生率が上昇し、不安障害や抑うつ、心脳血管疾患の発病の上昇を招くこともある」と注意喚起しました。(ヒガシ、藤井)

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