中国人青年 440円分の食事に4400円相当を支払い

2024-06-07 14:18:14  CRI

△店の防犯カメラで撮影された200元を払って店を離れる鄭さんの姿

 中国では最近、ある出来事がネット上で話題を呼んでいます。一人の青年が中国南部の広東省仏山市三水区で食事をしたのですが、料金が20元(約440円)だったのに、200元(約4400円)を支払ったのです。店主は青年を追いかけて返金しようとしたのですが、青年は固辞して受け取りませんでした。どうしてだったのでしょう。

 仏山市三水区内のある麺料理店で5月30日、一人の若い男性が麺1碗と飲み物一つを注文しました。男性は食事を終えてから、オンライン決済の「ウィーチャットペイ」で200元を支払ってから店を後にしました。

 店主の許余糧さんは男性を追いかけて返金しようとしましたが、男性は固辞して受け取らず、「ほんの気持ちだ」と言いました。そもそものきっかけは、この店の入り口に「困っているならば、お食事を無料で提供いたします」と書かれた掲示があったことでした。

 店主の許さんは2021年に開業して以来、「困っている人」に無料で食事を振る舞う「小さなこと」を貫いてきました。許さんは「自分なりの力で困っている人を助けることで、勇気をもって窮地から抜け出してほしい」と説明しました。許さんはまた、1食分を売れば1元(約22円)を拠出してチャリティーなどの公益事業をしようとの目標を設けました。許さんは開業以来、40人以上に無料で食事を提供しました。昨年には、中国南西部の貴州省から来た若者に対して、食事を無料で提供しただけでなく、仕事を見つけることでも支援しました。

 今回200元を払った男性は、今年24歳の鄭留壮さんです。鄭さんは中国北部の河南省から仏山市に来て就職しました。今は三水区内にある建材会社で働いています。鄭さんはニュースで「困っていれば無料で食事ができる麺料理店」のことを知って以来、その店を見かけたら自分なりの力を捧げて手助けをしようとずっと考えていたとのことです。

 鄭さんは仏山市で何年間も働いてきました。暮らし向きが特によいわけではありませんが、苦労に耐えられる性格で、見習いから始めて管理職にまで昇進しました。「小さい頃からずっと周囲の人にやさしくしてもらい、助けてもらった私はとても恵まれている。自分の力が及ぶ範囲で人を助けたい」と鄭さんは微笑みながら言いました。(Lin、鈴木)


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