北京
PM2.577
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中国中部の湖北省利川市のデリバリー配達員・魏欽さんは5月30日午前2時、ある注文を受けました。場所は古韻流芳広場近くの川沿いでした。配達した時、魏さんは袋の中にある注文商品をよく見なかったのですが、受け取った女性が落ち込んで泣き続けていたことに気づきました。魏さんは他にも配達待ちの注文があり、あまり考えずに急いで次の目的地へ向かいました。
しかし途中、魏さんは考えれば考えるほど違和感を覚え、バイクを止めて女性の注文リストを確認してみました。午前2時に川辺で女性が酒1本とかみそりの刃1箱を注文したと分かった途端、緊張して嫌な予感がしました。魏さんは急いで配達員のチャットグループでメッセージを送り、女性の近くにいる配達員に不測の事態が起こらないように早く見に行くよう呼びかけました。そして残りの注文を届けた後、魏さんも急いで川辺に戻りました。
魏欽さん(左)と楊鳳明さん(右)
魏さんの同僚の楊鳳明さんは魏さんが発信した助けを求めるメッセージを見て、すぐにその場に駆けつけましたが、女性はすでに川に飛び込んで川の中央へ泳いでいくところでした。その日は一日中雨が降って、川の水位が高まって、非常に危険な状況でした。女性の仲間は岸辺で叫び続け、岸に上がるように説得しましたが、無駄でした。女性が次第に体力を失っていくのを見て、仲間は川に飛び込んで救助しようとしましたが、川の流れが速すぎて、仲間は必死に苦闘しましたが自殺しようとする女性を岸に引き上げることができませんでした。
この光景を見た時、現場に駆けつけたばかりの楊さんと魏さんは、ためらうことなく川辺に行って救助に参加しました。楊さんは当時の様子について、「辺りは真っ暗で雨が降っていて、川の水は急だった。女性の仲間は飛び込んだ後、動けなかった。私たち二人は岸で引っ張り、仲間は川の中で押して、やっと女性を救い出しました」と語りました。
女性を救出した後、魏さんは120番救急電話をかけて、女性を落ち着かせるよう慰めながら、救急車が来るのを待っていました。そして、女性を救急車に乗せてから、二人は安心してその場を離れました。
翌日、雨が上がり、魏さんと楊さんは再びその場に行って、空の酒瓶や刃などのごみを拾ってごみ箱に捨てて片づけました。(閣、榊原)
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