中国側がけん引したバオバブの国際共同研究の成果発表

2024-05-16 14:47:39  CRI

 中国科学院によると、中国科学院武漢植物園、中国科学院中国アフリカ連携センターがけん引して、ロンドン大学キュー王立植物園、中国のゲノム産業大手の華大基因(BGI)、マダガスカルのアンタナナリボ大学、ケニア国立博物館、上海辰山植物園などが参画したバオバブ属植物の多様性進化の研究の成果が北京時間15日に国際的学術誌の「ネイチャー」に掲載されました。

マダガスカルのモロンダバにあるバオバブ通り

 マダガスカルは世界で4番目に大きな島で、バオバブは同島で自生する植物のうちで、生物学者や一般から最も注目されています。バオバブ属はアオイ目の落葉高木で、世界に8種しか残っておらず、うち6種はマダガスカルだけに分布し、残りの2種はそれぞれアフリカ大陸とオーストラリアに分布しています。マダガスカルでは、バオバブが「森の母」と呼ばれ、樹齢は1000年以上に達します。バオバブはその巨大さと奇抜な姿から、地元で壮美な自然景観を形成しており、毎年世界中から多くの旅行者が訪れます。バオバブの実は食用になり、幹には水が豊富に蓄えられており、樹皮は手工芸品や建築の原材料になります。バオバブは干ばつ時にさまざまな動物に水や食べ物、身を守る場所を提供するため、「生命の木」とも呼ばれています。

 研究参加者がマダガスカル、セネガル、オーストラリアで採取されたバオバブ種8種の野生個体の遺伝情報を解析し、バオバブ属の進化の歴史を再構築したところ、種の多様性分化はアフリカとオーストラリアプレートの分離やマダガスカル島が形成された約1億6000年前よりもはるかに遅い約2100万年前に始まったことが分かりました。また研究では、歴史的な同地域交雑パターンと実際の海を越えた拡散の可能性により、マダガスカル島は現存するバオバブ属の起源の分化の中心であるとの結論が示されました。(ヒガシ、鈴木)

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