中国本土映画興行週間ランキング(2024.4.29-2024.5.5)

2024-05-10 15:05:46  CRI

 メーデー5連休の映画商戦を制したのは、人気俳優が勢ぞろいした中国のアクション映画『維和防暴隊(Formed Police Unit)』。初動記録は4億元(約85億円)を突破!また、週間ランキングに日本のアニメ映画が3本同時エントリーするなど、中国の映画シーンでは日本ブームが巻き起こっています。ニューエントリーの『劇場版 Spy x Family Code: White(中国題:間諜過家家 代号:白)』は初動記録2.3億元(約49億円)、日本公開から20周年となる『ハウルの動く城(中国題:哈爾的移動城堡)』は初動記録1.2億元(約26億円)と、共にトップ5入りを果たしています。一方、記録的ヒットとなっている『君たちはどう生きるか(中国題:你想活出怎様的人生)』は8億元(約179億円)の大台に迫りました。日本映画として同一監督(宮崎駿監督)による2作品が中国本土の週間ランキングで同時にトップ10入りしたのは、前人未到の快挙となりました。

単位:万元

 

~作品紹介~

【1位】維和防暴隊(Formed Police Unit)
公開日:2024年5月1日
監督:李達超(リー・ダーチャオ)
主演:黄景瑜(ホァン・ジンユー)王一博(ワン・イーボー)鐘楚曦(チョン・チューシー)欧豪(オーハオ)朱亜文(ジュー・ヤーウェン)谷嘉誠(グウ・ジャーチェン)

 メーデー5連休の映画商戦を制したのは、時代劇ドラマ『コウラン伝 始皇帝の母』で知られる李達超(リー・ダーチャオ)監督がメガホンを取るアクション映画『維和防暴隊(Formed Police Unit)』。本作は中国の平和維持部隊にフォーカスしたもので、平和維持活動で異国へ赴き、戦火が入り乱れるエリアで捨て身のミッションを完遂する勇敢な者たちの群像を描いています。そんな隊員を演じるのは『オペレーション:レッド・シー』(2018)をはじめ数々のアクション大作に出演してきた黄景瑜(ホァン・ジンユー)や、主演作『無名』が5月3日に日本公開を果たしたトップアイドルの王一博(ワン・イーボー)、ヒットメーカー・馮小剛(フォン・シャオガン)監督の青春映画『芳華-Youth-』で鮮烈なデビューを飾った若手女優の鐘楚曦(チョン・チューシー)、『中国機長(The Captain)』(2019)の欧豪(オーハオ)など。

【2位】末路狂花銭(The Last Frenzy)
公開日:2024年5月1日
監督:烏日娜(ウリナ)
主演:賈冰(ジア・ビン)譚卓(タン・ジュオ)小瀋陽(シャオシェンヤン)于洋(ユイ・ヤン)

 中国・内蒙古出身の若手女性監督、烏日娜(ウリナ)がメガホンを取る新作コメディ『末路狂花銭(The Last Frenzy)』が週間2位に初登場!余命10日と告げられた「ケチ男」が生涯貯めてきた大金を一気に使おうと決意する物語です。主演は、数々の喜劇映画で活躍中の賈冰(ジア・ビン)や小瀋陽(シャオシェンヤン)など。ヒロイン役は、『暴裂無声(Wrath of Silence)』(2017)や『被光抓走的人(Gone With The Light)』(2019)などの譚卓(タン・ジュオ)。

【3位】九龍城寨之囲城 (Twilight of the Warriors: Walled In)
公開日:2024年5月1日
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
主演:古天樂(ルイス・クー)洪金寶(サモ・ハン・キンポー)任賢齊(リッチー・レン)林峯(レイモンド・ラム)

 日本でも上映された『モンキー・マジック 孫悟空誕生』(2015)や『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』(2016)などで知られる中国香港の鄭保瑞(ソイ・チェン)監督の最新作は、余児の小説『九龍城寨』を原案にしたクライムアクション。1980年代の「九龍城寨」の“中間地帯”を舞台に、各組織や勢力が駆け引きを繰り広げる中、この地帯に迷い込んできた青年が悪の勢力に戦いを挑む様子が描かれています。日本公開は未定です。

【4位】劇場版 Spy x Family Code: White(中国題:間諜過家家 代号:白)
公開日:2024年4月30日
監督:片桐崇
主演(吹替):江口拓也 種﨑敦美 早見沙織

 日本上映時は4週連続週末動員No.1という大ヒットを記録した「SPY×FAMILY」初の劇場アニメ『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が、待望の中国本土一般公開スタート!本作では原作の遠藤達哉が監修・キャラクター原案を務める完全新作ストーリーが展開されています。今年1月に中国台湾、2月に中国香港での一般公開も果たしました。

【5位】ハウルの動く城(中国題:哈爾的移動城堡)
公開日:2024年4月30日
監督:宮崎駿
主演(吹替):倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 神木隆之介 大泉洋 原田大二郎 加藤治子

 近年、中国本土で往年の名作が相次いで一般公開されている宮崎駿監督作品。今年は『ハウルの動く城(中国題:哈爾的移動城堡)』(2004)が20年越しの中国本土一般公開を迎えました。本作はイギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としたもので、魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまった少女ソフィーと、人々に恐れられているが実は臆病者の美青年魔法使いハウルが、王国の争いに巻き込まれながら心を通わせていく物語です。中国語吹替版と日本語音声中国語字幕版の両方が制作され、公開中です。

【6位】没有一頓火鍋解決不了的事(Nothing Can't Be Undone by a Hot Pot)
公開日:2024年5月1日
監督:丁晟(ディン・ション)
主演:楊幂(ヤン・ミー)于謙(ユイ・チェン)田雨(ティエン・ユイ)余皚磊(ユイ・アイレイ)李九霄(リー・ジユシャオ)黄小蕾(ホァン・シャオレイ)

 昨年12月の海南島国際映画祭に出品された中国のクライムコメディ『没有一頓火鍋解決不了的事(Nothing Can't Be Undone by a Hot Pot)』。タイトルは直訳すると「火鍋で解決できないことはない」という、中国の世相を反映する興味深いものになっています。巨額の財産をめぐって駆け引きする面識の無い男女たち。全員の接点は、中国を代表する料理の一つ・重慶火鍋だったという物語。なお、本作は公開第1週に「上映のタイミング」を理由に公開中止を発表しており、上映再開は未定となっています。

【7位】ゴジラxコング 新たなる帝国(中国題:哥斯拉大戦金剛2:帝国崛起)
公開日:2024年3月29日
監督:アダム・ウィンガード
主演:ダン・スティーヴンス レベッカ・ホール ブライアン・タイリー・ヘンリー カイリー・ホットル アレックス・ファーンズ レイチェル・ハウス ファラ・チェン

 『ゴジラ』と『キングコング』のリブート映画『ゴジラvsコング』の3年ぶりとなる続編、『ゴジラxコング 新たなる帝国(中国題:哥斯拉大戦金剛2:帝国崛起)』が中国本土でロングヒットとなっています。本作は一連の怪獣映画を中心とするメディア・フランチャイズ&シェアード・ユニバース「モンスター・ヴァース」の5作目にあたるもので、怪獣たちの歴史と起源、人類の存在そのものの謎に挑戦する全く新しい冒険が繰り広げられます。本作の日本公開は4月26日から。

【8位】穿過月亮的旅行(I love you to the moon and back)
公開日:2024年5月1日
監督:李蔚然(リー・ウェイラン)
主演:張子楓(チャン・ツィフォン)胡先煦(フー・シェンシュー)仁科(レンカー)長江(チャンジャン)黄小蕾(ホァン・シャオレイ)

 4月18日~26日の第14回北京国際映画祭に出品されたラブロマンス『穿過月亮的旅行(I love you to the moon and back)』がメーデー連休に合わせて一般公開!本作は恋愛小説『踏着月光的行板』を映画化したもので、監督は夢枕獏の人気小説『陰陽師』が原案の中国映画『侍神令(The YinYang Master)』などで知られる李蔚然(リー・ウェイラン)。仕事で離ればなれになった新婚の若夫婦が、休暇中の再会を果たすために、それぞれ幻の列車旅行に出かける物語です。新婚夫婦を演じるのは、日本公開も果たした中国映画『シスター 夏のわかれ道(原題:我的姐姐)』(2021)や、日本でNetflix配信された『この夏の先には(原題:盛夏未來)』(2021)などの若手女優、張子楓(チャン・ツィフォン)と、『ヒカルの碁』中国版ドラマでの主演で注目を集めた若手俳優の胡先煦(フー・シェンシュー)。

【9位】猪猪侠大電影·星際行動
公開日:2024年5月1日
主演:陸双(ルー・シュアン)徐経緯(シュー・ジンウェイ)梁晶々(リャン・ジンジン)

 子ども向けの人気アニメシリーズ『猪猪侠』の1年ぶりとなる劇場版第9作が9位に初登場!今作では、主人公であるスーパーヒーローの「猪猪侠」が、宇宙からの侵略者を撃退するために、100年前の謎の魔物「音符聖杯」を探し出す冒険の旅に出かけます。ボイスキャストは、陸双(ルー・シュアン)や徐経緯(シュー・ジンウェイ)が続投。

【10位】君たちはどう生きるか(中国題:你想活出怎様的人生)
公開日:2024年4月3日
監督:宮崎駿
主演:山時聡真 菅田将暉 柴咲コウ あいみょん 木村佳乃 木村拓哉 大竹しのぶ竹下景子 風吹ジュン 阿川佐和子 滝沢カレン 國村隼 小林薫 火野正平

 宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか(中国題:你想活出怎様的人生)』が、中国本土で記録的なヒットとなっています。本作は太平洋戦争中に、母親の死をきっかけに田舎に疎開した少年・眞人が、人間の言葉を話す謎の青サギと出会い、共に幻想的な「下の世界」へと足を踏み入れるというストーリー。中国本土では、日本語音声中国語字幕と中国語吹替の2バージョンが上映中です。

(ミン・イヒョウ、梅田謙)

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