米国の交渉カードは功を奏するのだろうか

2024-04-24 14:27:53  CRI

 ブリンケン米国務長官は24日、在任中2回目の訪中を開始しました。海外メディアの報道によりますと、ブリンケン氏は今回イエレン米財務長官のマイクを引き継ぎ、いわゆる中国の「生産能力過剰論」について話を続けようとしています。

 この議題について、イエレン氏は中国訪問中、中国の生産能力は中国国内の需要を大幅に上回り、世界市場の許容能力も上回っているとの理由を挙げていました。過剰生産能力は大量の低価格輸出につながり、米国やその他の国の企業や労働者にダメージを与える可能性があります。イエレン氏のこの主張は、200年以上にわたって西側が標榜してきた経済学の最も基本的な原理に反するとし、一部の米経済アナリストでさえ理解に苦しむとの見方を示しています。

 米メディアは「生産能力過剰論」を取り上げ続けていますが、いったい何を指しているのでしょうか。2022年、いわゆる中国の「生産能力過剰論」に対する米メディアの報道は、半導体業界に集中しました。そして2023年から現在までは、中国の「新エネルギー製品」に移り、中でも、新エネルギー自動車は突出しています。中国が米国に比べて優位性を持つ産業は、米国のナラティブによって「過剰産業」になり、中国の新エネルギー産業が競争力を示すたびに、米メディアはいわゆる中国の「生産能力過剰」を騒ぎ立てることがわかります。つまり、いわゆる中国の「生産能力過剰」に対する米メディアの関心は、中国経済のハイライトとブレークスルーに対する追跡と関心であり、その背後には、中国の新たな質の生産力の発展に対する米国の焦りがあります。

 新エネルギー車にとって、新エネルギー車産業は生産能力過剰ではなく、まだまだです。世界の二酸化炭素排出量ゼロの目標を実現するには、さらに多くの新エネルギー車生産能力が保証として必要です。中国は世界一の新エネルギー車生産・販売国で、2023年の中国の新エネルギー車生産台数は958万7000万台で、この1年、中国は120万3000台の新エネルギー車を輸出しました。中国の生産能力の90%近くは、国内需要を満たしています。これはまた、世界にとって、中国の新エネルギー自動車業界の輸出が、良質で希少な生産能力であることを意味しています。

 米メディアが2023年12月14日に発表した米国戦略国際問題研究センター(CSIS)の1万文字に及ぶ研究報告書は、「中国は一夜にして気候変動技術の巨頭になったわけではない。現在のサプライチェーンの分布は長期的なグローバル市場の分業、国際協力、企業家精神の結果だ。また国内外に対する対象業種への投資誘致を目的とした政府の政策は、競争力の高い環境を作り出した。このため、代替サプライチェーンを複製するのは難しい。中国の新エネルギー産業の真の競争力をはっきりと認識し、中国との工業生産能力における客観的な差を認識したからこそ、米国は心から焦りを感じているのかもしれない」と指摘しました。

 さらに米国が焦りを感じているのは、中国と欧州が世界のクリーンエネルギー発展の先頭に立ち、欧州政界に多少の雑音などがあっても、企業、民間、研究機関が密接な交流を続けていることです。2021年から、ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲンなどの欧州企業は、続々と中国で新工場を建設して生産能力を拡大するだけでなく、中国の新エネルギー自動車企業と車載システムからソフトウェア分野まで深い提携を結んでいます。

 また、バイデン政権がなぜ今年に入り中国のコネクテッドカーに対するいわゆる「調査」開始を選択したかについて、理解するのは難しくありません。その目的は、中国の最も優位な一部の面をとらえ、集中的に衰退を唱え、中国の優位を「劣勢」に演出し、「脅威」に仕立てて中国の発展の焦点を破壊しようとすることにあり、悪意がないとは言えません。(非、榊原)

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