湖南省長沙の「無声屋台」が「有声屋台」に

2024-04-23 15:31:57  CRI

 中国中部の湖南省長沙市内の四方坪夜市(夜の屋台街)には、聴覚障害者夫婦が経営する「無声屋台」がありました、しかしこの屋台は、22日に、「有声屋台」と改称されました。

 張永勝さんとその妻はいずれも聴覚障害者で、同じ工場で働いていた時に知り合って結婚しました。子を授かる前に遺伝子検査をしましたが、残念なことに生まれた娘にも聴覚障害がありました。夫婦は2021年7月、すべての貯金を使い、足りない部分は借金をして、2歳の娘の左耳に人工内耳を埋め込み、手術とリハビリを受けさせました。張さんによると、「家族は3人とも聞こえないのに、なぜ娘だけに人工内耳と補聴器をつけたのか」と尋ねられたことがあるそうです。張さんは「人工内耳は高価すぎる。私と妻は聞こえなくてもよいが、娘は聞こえるようにせねばならない」と答えました。

 夫婦は2022年6月に、長沙四方坪夜市でタマゴケーキの屋台を始めました。毎日夕方になると、張さんは奥さんと娘さんを連れて、屋台の車を押して、にぎやかな夜市にやってきます。張さんはケーキを作り、奥さんは注文を受けます。娘さんは客を呼び込むなどで、大人と同様に手伝います。

 客とは会話できないために、商売を始めた当初は苦労しました。しかし、周囲の人はこの一家の事情を徐々に知り、多くの客がわざわざこの無声屋台を応援しに来たり、同じく聴覚障害者である人が長沙市以外から、客として応援のために訪れるようになりました。客の中にはわざわざ手話を学んで、この一家にとって慣れた方法で励ます人もいます。

 今年初めには、個人メディアブロガーが張さん一家の物語を動画撮影してネットに投稿し、多くのネットユーザーを感動させました。張さん一家はしばらく前に、人工内耳企業の支援を得て、上海市内の復旦大学付属眼耳鼻咽喉科病院で、人工内耳の埋め込み手術を済ませました。娘さんは新たに右耳に、張さん夫婦はそれぞれ片方の耳に人工内耳が埋め込まれました。

 

やっと互いの声を聞くことができるようになった家族3人

 一家3人は4月22日、人工内耳手術後の初めての作動試験を行いました。互いの声が聞こえた瞬間、3人は感動極まって抱き合いました。張さんは、「私たち家族は生活が安定したら、将来は他の聴覚障害者を、『この世界を聞ける』ようになってもらえるよう助けられる力を持ちたい」と話しました。(藍、鈴木)

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