北京
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中国天眼(FAST)
500メートル球面電波望遠鏡「中国天眼(FAST)」による新たな発見がありました。中国科学院国家天文台の李菂研究員が率いるチームは、このほど、「中国天眼」が捉えた豊富なデータを基に、宇宙空間における謎のバースト信号を詳しく描き出すことができる新しい分析枠組み「Pincus-Lyaponov相図」を提案しました。これにより、最終的に高速電波バーストの起源を明らかにすることが期待されています。同研究は4月12日、「中国科学技術ジャーナル卓越行動プロジェクト」に基づく総合的科学誌『科学通報』で巻頭記事として発表されました。
李氏によると、チームは新しい相図に基づいて、高速電波バーストが時間とエネルギーの2元空間においていわゆるブラウン運動に近い形で推移しており、高度なランダム性を示しているのを発見したということです。
高速電波バーストとは、遠方宇宙で発生する瞬発的で強烈な電波バーストの一種で、その名の通り、高速電波バーストは1000分の1秒の間に人類社会の数兆年分の電気需要をまかなうに足る膨大なエネルギーを放出します。高速電波バーストは2007年に初めて発見されましたが、これらの強力なエネルギーがどのようにして発生するのかはまだ解明されていません。
『科学通報』では同時に、高速電波バースト分野の理論的専門家、米ネバダ大学教授の張氷氏の評論記事も掲載しており、張氷氏はその中で「この革新的なアプローチは理論家に爆発現象の物理メカニズムを熟考するよう促し、それによって物理法則の普遍性が検証され、明らかにされる」としています。(ミン・イヒョウ、坂下)
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