【CRI時評】米日比「小グループ」は南海が平穏なのが気になって仕方がない

2024-04-13 15:03:14  CRI

 米国、日本、フィリピンの首脳は現地時間11日、ワシントンで初の3カ国首脳会談を行った。会談後は声明を発表し、いわゆる「インド太平洋地域と世界の安全と繁栄」促進のために防衛協力を強化するとし、併せて南海、東海などの地域で国家主権を守ろうとする中国の行動に「懸念」を示した。

 こうした光景は珍しいものではない。過去数年、米国は同盟国を引きずり込み、中国をターゲットとした「小グループ」を構築するために少なからぬことを行ってきた。例えば2017年、米国は「米日印豪戦略対話」(QUAD)をとりまとめた。2021年には、米英豪は「3カ国の安全保障の枠組み」(AUKUS)を立ち上げた。これらの組織の本質はいずれも冷戦思考によってブロック政治を行い、潜在的なライバルを押さえ込んで、米国のグローバルな覇権を守ろうとすることだ。

 今回、新たな「小グループ」を構築するため、米国がフィリピンを後押しして発破を掛けているのは、南海が平穏なのが気になって仕方がないことを反映している。フィリピンのドゥテルテ前大統領は最近のインタビューで、「南海は元々とても穏やかだったが、米国人が来てから、ここには争いが絶えない」と指摘した。米国は中国の経済発展を阻むために、一部の国を引きずり込んで「中国を排除した経済圏」を作ろうともくろんでいる。

 米日比3カ国首脳会談が行われる前、ホワイトハウスの前には多くの抗議者が集まった。彼らは手に「マルコスの訪米を歓迎しない」「フィリピンを売り渡すな」といったスローガンを掲げ、今回の3カ国首脳会談の本質は米国がアジア太平洋で中国に対抗するためにフィリピンを利用しようとしているとともに、フィリピンに主権を守るよう呼びかけるものだと批判している。抗議者らは、米日両国は南海問題の当事者ではなく、南海問題に干渉すべきではないと指摘した。米日比3カ国首脳会談とその冷戦思考は協力どころか対立をさらに激化させ、南海の緊張した局面をさらに悪化させる。

 「南海における関係各国の行動宣言」第5条では、紛争を複雑化し、拡大し、平和と安定に影響を及ぼすような行動をとらないよう、各当事者が自制することを約束している。フィリピンの南海における違反行為、挑発行為、南海での紛争を国際化するための外部勢力への依存は、宣言の精神に甚だしく背き、南海の平和と安定を守りたいという地域諸国の願いから逸脱している。

 中国は領土主権争いの交渉による平和的な解決を一貫して主張してきたが、これは決して一部の国の理不尽な言いがかりを容認するものではない。米日比「小グループ」の流れに逆らった動きが地域にもたらすものは、決して「安全と繁栄」ではなく、対立と脅威である。(CRI論説員)

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