北京
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中国中部の河南省開封市の万歳山にあるテーマパーク「武侠城」で行われているお見合いイベント「王婆説媒(王ばあさんが仲人)」が大きな人気を集めています。「王婆」とは中国の古典小説である「水滸伝」に出てくる、男女の仲を取り持つ女性です。同イベントでは、この「王婆」のキャラクターを借りて、その場に集まった結婚を希望する若者に相手との縁を取り持ちます。舞台に立つ「王婆」は単純ながらも効率的な方法で、「年頃の男女が相手を探し出す」という難題を解決します。今では、「婚活」を手伝ってもらいたいと思って「武侠城」にやってきた若者が「王婆説媒」の会場で行列を作るほどの人気です。
一方で主催側は、登壇者に実名登録や未婚証明書の提示を求めるなど、結婚詐欺などを防ぐために参加ルールを見直し改善してきました。イベントが始まると、いつも熱心な観客が舞台の前に殺到して黒山の人だかりです。
このイベントでは、「王婆」は中国の古い時代の仲人が着ていた伝統的な衣装を身にまとい、当時の髪型のかつらを着用して、縁結びの象徴である赤いひもを手に、観客の歓声を浴びながら、華々しく登場します。そして独身女性ならば、自らの意志でステージに上がり、自分の配偶者選びの要求を紹介することができます。会場に条件を満たす男性がいれば、壇上に上がって交際したいという気持ちを伝えます。例えば、女性が「イケメンで金持ち」という希望を言うと、「王婆」はその場で来場者の中から探し始めます。会場は大いに沸き立ちます。「王婆」は登壇した男女双方に「その気」があることを確認できれば、二人に対してSNSのウィーチャット(Wechat)で交流するよう促します。「王婆」は、例えば内向的で口下手な人に対しては、「あなたと出会えたのは僕にとっての縁です、と言って」などと、臨機応変に話し方の指導も行います。また、恥ずかしがり屋の男性に対しては、女性をハグするよう励ましたりもします。
「王婆」は演技が親しみやすくて面白い上に、「王婆」自身の性格も多くの人を魅了しています。「王婆」を演じるのは今年61歳の趙梅さんです。「武侠城」で取り持った男女の中には、すでに結婚した人もいれば、婚約した人もいます。
また、「王婆」がいる開封市の万歳山「武侠城」では、3月末までの1週間、旅行検索人気度はその前の1週間の8倍以上になり、チケット予約数も3倍以上になったとのことです。(Yan、鈴木)
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