【CRI時評】日本を仲間に引き入れることで「AUKUS」は過ちを重ねる

2024-04-11 12:44:47  CRI

 この2日ほど、米国、英国、オーストラリアが「AUKUS」への日本の参加を検討すると発表したニュースが国際世論の大きな関心を引き起こしている。「AUKUS」が2021年9月に成立して以来、パートナーを発表するのは初めてだ。日本の政府関係者は「AUKUS」の重要性を「認識」していると述べた。多くの日本国民が「AUKUS」が各界の懸念を顧みずに拡大を進めるのは陣営間の対立と核拡散のリスクを拡大させ、アジア太平洋地域の平和と安定を破壊するものだと批判している。

 いわゆる「AUKUS」は「米英豪3カ国安全保障パートナーシップ」の略称であり、主に二つの大きなミッションがある。一つ目はオーストラリアへの原子力潜水艦配備と、3カ国による次世代原子力潜水艦の共同研究開発・建造への移行であり、この面での協力は米英豪に限られている。二つ目は新興技術の共同開発・配備と作戦能力の向上で、この面では他の国の参加を積極的に呼びかけている。

 では、なぜ日本が最初に選ばれたのか。二つの理由がある。技術的な面では、米英豪はハイテク技術の面でそれぞれ十分とは言いがたい点があるのに対して、日本は量子技術、電子戦および人工知能(AI)分野で優位に立っている。日本は米英豪などの国々とセンシティブな軍事技術を共有することで、自国の防衛能力を増強し、アジア太平洋における軍事的影響力を高めたいと望んでいる。

 戦略面で見ると、これらの国々にはそれぞれの「思惑」がある。米国は「AUKUS」をいわゆる「インド太平洋戦略」実現の鍵と見なし、より多くの同盟国を引き込みたいと考えているが、とりわけ高い技術を備え、絶えず平和憲法の制約を突き破ろうとしている日本を参加させることで、中国を封じ込めるという目的を果たしたい。英国は「グローバル・ブリテン」構想を推進し、日本をアジア太平洋問題に絡ませることで、アジア太平洋における英国の影響力を拡大したいと考えている。オーストラリアはこれまで、新たなメンバーが加わることで自国の潜水艦研究開発計画に遅れが生じることを懸念していたが、一つ目のミッションにおける協力の進展が大幅に遅れたことで、二つ目のミッションに期待せざるを得なくなり、日本の参加を支持する方向に転じた。

 だが、「AUKUS」の中心は米国であり、その他のメンバーはいずれもその戦略的属国であって、互いの間には相違点もあり、日本が三国同盟の中核メンバーになるのは容易ではない。センシティブな技術については、米国は利己的であり、同盟国に対して依然として疑念と警戒心を抱いている。日本にとっては、こうした軍事色の濃いグループに加わることはよりいっそう米国の対外戦略の「駒」に成り下がることになる。別の面では、日本が欧米と共通の価値観を有していると自負しても、米英豪はどれもが「アングロサクソン」の国であり、東洋の国である日本は一貫して「アウトサイダー」だ。これは、日本が今後、よりいっそう反中の最前線に追いやられ、危険な状況に追い込まれる可能性があることを意味している。(CRI論説員)

KANKAN特集

ラジオ番組
KANKAN特集