【観察眼】研究開発に真剣に取り組む中国

2024-03-29 14:28:08  CRI

 日本最大のポータルサイトのヤフージャパンで最近、「中国で自主開発された『世界一のクレーン』が見事な初仕事」という記事が日本人ネットユーザーの注目を集めた。同記事はランキング上位に入り、閲覧数は10万を超えた。中国の長い歴史や多彩な文化と同様に、中国での大型機械の開発などに関する話題も、数多い中国関連記事の中で注目されている。近年ではクレーン、シールドマシン、大型船舶、高速列車、航空機などの記事が相次いで日本のネットユーザーの間で話題になっている。こうした製造業の成果の中には、中国国内の庶民はその重要性にあまり気づいてはいない場合もあるが、日本では強い関心が寄せられている。これらの研究開発の成果は偶然ではなく、中国は研究開発に真剣に取り組んでいることを示している。

 中国で自主開発された、世界で最も大きく吊り上げ能力も最大で、世界初の全地形型で11の車軸を備えるホイールクレーンは22日に河北省衡水市で容量6.25MWの風力発電機を吊り上げる初めての作業を順調に終えた。今回の作業では、120トンの風力発電ユニットの機械格納部分と、長さ95メートル、重さ28トンの羽を、50階建てビルに相当する160メートルの高さにまで吊り上げた。風力発電の発展の需要に応じて科学研究者は近年、超高出力風力発電機の設置など、風力発電の吊り上げ分野の課題の難関を突破してきたが、今回開発されたクレーンは、まさにその成果の一つだ。

 この記事に対し、一部のネットユーザーは中国の技術を疑問視するコメントを寄せたが、事情に詳しい多くのユーザーは、中国のクレーン企業はもともと実力があり、世界でも上位にランクされていると指摘した。上記クレーンの開発元である中国の徐工集団は数年間連続で、世界のクレーンメーカーの上位にランクインしている。昨年末の発表によれば、2023年の世界におけるホイールクレーンメーカーのトップ10では前年と同様で、徐工集団はオーストリアのパルフィンガー、フィンランドのヒアブに次いで第3位だった。徐工集団は2010年から、千トン級ホイールクレーンの研究開発と製造において、1600トンのクレーンを手始めに「世界一のクレーン」の記録を絶えず更新しており、ここ3年間は記録を毎年更新している。

 クレーンだけではない。中国におけるシールドマシンの開発も同様だ。中国では急速な発展を背景にさまざまな大型プロジェクトが実施されており、シールド機の需要の増加に対応するために、研究開発は世界に追いつき世界を追い越した状況だ。中国は今ではこの分野の先頭に立っている。個別の工事に個別のシールド機という「カスタマイズ」により、研究開発者には実践を繰り返す中で試行錯誤する機会に恵まれるようになった。

 中国が自主開発した世界最大径の高速鉄道トンネル工事用シールドマシンは先ごろ、上海重慶成都高速鉄道の崇太長江トンネルの工事現場で組み立てを完了した。カッターヘッドの直径は15.4メートル、総重量は440トンだ。シールドマシンの製造は、中国での内需を満たすだけでなく輸出も盛んだ。数日前にトルコに到着した中国からの貨物船には、中国が海外に輸出する最大径の土圧バランス式シールドマシンが積まれていた。このシールドマシンは現地の高速道路のトンネル建設に使われる。また、中国の工業化レベルの向上に伴い、シールドマシンの「スマート度」もますます高くなっている。中国産シールドマシンの世界市場におけるシェアは7割近くに達している。

 大型機械のメーカーといえば欧米や日本の企業をまず思い浮かべるが、上記のクレーンやシールドマシンのように、中国は長年の発展を経て、多くの分野で追いつき追い越すことになった。その原因としてはまず、インフラ整備に積極的に取り組む国の政策が挙げられる。多くの大型プロジェクトが実施されることで需要が研究開発をけん引した。次に、活力と創造力に満ちた人材が多いことがある。中国政府・教育部の最新発表によると、中国では累計1100万人以上の大学院生が養成され、現在在学中の大学院生数は365万人を数える。社会を発展させる第一線に60万人以上の博士と670万人以上の修士が送り込まれた。常に投入される新しい力が、研究開発チームの主力軍になっている。

 中国が機械の研究開発などの分野で世界一になったと紹介する記事を改めて目にしても、ためらったり疑ったりする必要はない。中国は建設や開発に真剣に取り組んでおり、一歩、また一歩と前進することで、すでに世界の先頭に立つようになった。(CMG日本語部論説員)

KANKAN特集

ラジオ番組
KANKAN特集