北京
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ヒガシチュウゴクアジサシ
最近になり、中国南東部沿岸の福建省晋江市囲頭湾で、野生動物監視員がヒガシチュウゴクアジサシ14羽を目視しました。ヒガシチュウゴクアジサシは世界で最も珍しい渡り鳥の一種で、毎年3、4月には福建省の晋江市や福州市などに飛来します。
ヒガシチュウゴクアジサシの全世界での数は150羽ほどで、極めて稀少です。海岸から近い浅い海域を好むのですが、その行動には多くの謎があります。ヒガシチュウゴクアジサシは中国の一級保護野生動物に指定されています。望遠レンズ付きのカメラで観察すると全身が真っ白で、頭頂部には黒い冠のような羽毛が生えていてくちばしの先端が黒いことから、中国では「黒嘴端アジサシ」に相当する語でも呼ばれています。また、2、3羽が1組になって養殖場のフロートの上に立ち、周囲には100羽以上のオオアジサシがいる情景がよく観察されます。
福建省野生動植物保護協会の呉轲朝氏は、「ヒガシチュウゴクアジサシとオオアジサシはいずれもカモメ科アジサシ属に属しているので、習性などは基本的に近い。一緒に生息するのは助けや庇護を求めるからだ」と紹介しました。
呉氏はまた、「これまでの観察記録では、毎年3月末から5月初めにかけてこの場所に飛来して生息する。しかしこれまでは、1日に多くても8羽までしか記録できておらず、通常は1日に6羽までの記録だった。今年は最も多い日で14羽が観測された」と説明しました。
囲頭湾では7年連続でヒガシチュウゴクアジサシの姿が観測されています。2021年には現地で海上野生動物保護ボランティアチームが発足しました。チームのメンバーは囲頭湾を定期的に巡回して観測し、渡り鳥の移動と生息を保護しています。(翻訳:任春生、鈴木)
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