北京
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ドイツのミュンヘンで開催された2023年国際モーターショーのBYDの展示スペース
近年には、欧州が中国車の最大の輸出先になりました。欧州自動車製造業者協会の最新データによれば、昨年は70万台近くの新車が中国から欧州に出荷されました。フランスのコンサルティング会社のイノビブの今年年初の発表によれば、中国で製造された自動車の2021年における欧州全体での輸出シェアは第10位でしたが、2022年には2位に急上昇しました。
米国のコンサルティング会社マッキンゼーは欧州における中国からの輸入車の急増の理由を、欧州メーカーの電気自動車(EV)より価格が20%~30%安いと指摘し、さらに中国製のEVが安価である理由の一つに、中国メーカーでは新モデル開発にかかる時間が欧州企業の半分程度にとどまっていることを挙げました。ボストン・コンサルティングの業界専門家であるアレクサンダー・ワヒトメスト氏は「中国のメーカーは競争力の高い製品で急速に欧州市場に参入している」と述べました。
オーストリア国内自動車取引連邦委員会のあるメンバーは、「中国は市場開発のためにオーストリアに多額の投資を行う可能性がある」として、中国の自動車メーカーに対して開放的な姿勢を維持すべきと提言しました。
BYDの工場がハンガリーに建設されたことを受け、イタリアなどからも中国の自動車メーカーにラブコールが送られています。欧州委員会は、中国政府が「違法な補助金」を通じて中国の自動車メーカーを支援している事実の有無や、関税を引き上げの是非について調査しています。これについてメルセデス・ベンツのケレニウス最高経営責任者(CEO)は「長い目で見れば、中国との厳しい競争は欧州の自動車メーカーがより良い車を生産することに役立つ」と述べました。(hj、鈴木)
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