中国人医師が三酸化ヒ素で白血病患者を救う

2024-03-08 13:51:06  CRI

 中国で三酸化ヒ素は聞いただけで肝をつぶすほどの猛毒を持つものですが、医師がその毒性を生かし、患者の命を救いました。

 中国中部の湖北省武漢市第一医院の治療チームはこのほど、三酸化ヒ素とトレチノインの効果を利用し、早期急性前骨髄球性白血病(APL)患者を救いました。このことは中国のSNSの検索ワードランキングに入りました。

汪さんの回復状況を確認する医師

 今年1月から、汪さん(56)はめまいや倦怠(けんたい)感に悩み始めました。汪さんはかつてかかった卵巣がんの再発なのかと心配したため、1月11日に武漢市普仁医院の外来診察で診療を受けました。検査の結果、汪さんは白血球の数値がわずか1.67(10^9/L)で、正常値の3.5(10^9/L)よりはるかに低いことを発見しました。その後、医師は血液内科を受診することを勧めました。医師と相談した後、汪さんは骨髄穿刺の検査を受け、急性前骨髄球性白血病だと確認されました。

 医師によれば、急性前骨髄球性白血病は発見された時、とても重篤な状態なのが一般的です。早期の死亡率は50%と高いもので、頭蓋内出血、重症感染症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)などが死因になります。汪さんの苦痛を減らすため、医師は速やかに三酸化ヒ素とトレチノインによる治療を始めました。三酸化ヒ素は猛毒を持つため、うまく効果を生かせない場合、毒薬になり、効果を十分に生かすことによって、患者の命を救う良薬にもなります。

 医師は、「少量の三酸化ヒ素はチオールプロテアーゼの活性を変え、がんと関連する遺伝子情報を伝えることを抑制し、細胞周期が進むルートを変えることができ、抗がん効果を生かす」と説明しました。三酸化ヒ素とトレチノインによる治療を通じて、汪さんは体調が回復し、めまいと倦怠感の症状が消え、白血球数値が正常に戻りました。汪さんは今、重篤状態から戻り、次の段階は化学治療を受け、治療効果を固めることになります。(殷、野谷)

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