北京
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中国では、春節(旧正月)の帰省・Uターンラッシュに対応するための特別な交通輸送体制を「春運」と呼びます。今年の「春運」は1月26日からで、3月5日で終了しました。交通運輸部のデータによりますと、40日間にわたる今年の「春運」期間中、全国で地域をまたいで移動した旅客総数は延べ84億人を上回る見込みです。そのうち、主力となったのは自家用車による移動で、道路を利用した移動旅客者数は延べ78億3000万人と、これまでの記録を塗り替えるものとみられます。
記録の背景には、より密に張り巡らされた道路網、より強大な運輸能力が垣間見られます。データによりますと、中国では、交通網全体の総延長は延べ600万キロを上回り、2023年に新たに開通した高速鉄道の総延長は2776キロで、新設・延長された高速道路は7000キロ、新設ないし見直された航路は1000キロに上り、空港の総数は259カ所に達しました。
春運は観光ブームと消費ブームを後押ししています。同程旅行のデータによりますと、春運期間中はハルビン、長春、瀋陽が氷雪旅行の主要目的地となりました。文化観光部門のデータでは、8日間にわたる春節連休中、ハルビンを訪れた観光客は延べ1000万人を超え、吉林省の長白山を訪れた観光客は前年同期比98.5%増、遼寧省瀋陽の観光収入は前年同期比255%増の151億元(約3125億円)に達しました。
一方、シンガポールやタイなどの国が中国人観光客に対するビザ免除政策を実施したことで、春節期間中は海外旅行もピークを迎え、タイや韓国、シンガポールなどへの航空便はほぼ満席状態となり、民用航空の1日当たり出入国旅客数は延べ20万人を超えました。
「春運」という言葉は1954年に中国のメディアに初めて現れ、今年で40年が過ぎましたが、「春運」にまつわる話題はこれからも続くとみられます。(Lin、坂下)
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