出生体重がわずか650グラムの超早産児 112日で元気に退院

2024-03-05 12:03:22  CRI

 出生時の体重がわずか650グラムで、身長が大人の手のひらに乗る程度の超早産児の女の子が、医療関係者による112日間の手厚いケアの結果、体重が3000グラムを超え、このほど退院して母親と一緒に家に戻りました。

△子どもを連れて退院する王さん夫妻

 この女児は中国南西部四川省徳陽市でケアされていた、出生時の体重が最も軽い超早産児です。当時37歳の王さんは2023年に第1子を妊娠しましたが、11月9日に前置胎盤のため突然出血し、徳陽市人民病院婦人児童病院に緊急入院しました。産科の何静媛副主任医師は当時の状況について、「妊婦は非常に切迫した状況にあり、出血がますますひどくなっていてすぐに手術を行う必要があったが、手術はリスクの高いものだった」と振り返りました。病院は難病のMDT(multi-disciplinary team:多職種で構成される支援チーム)による診療を発動して全面的な支援体制をとり、小児科新生児病棟の医師と看護師も手術室に入って、生まれる赤ちゃんの救急体制を整えました。11月10日の午前6時41分、王さんの娘は無事誕生し、この喜びを記念するため、「喜悦」と名付けられました。

 25週未満で生まれた喜悦ちゃんは新生児病棟に移され、人生初の冒険が始まりました。生まれてすぐ敗血症や細菌性髄膜炎の脅威にさらされたためです。新生児ケアチームは喜悦ちゃんのためのケアプランを作成しました。医療スタッフによると、超早産児の脳は外界からの刺激に異常なほど敏感で、話し声が少し大きかったり、聴診器が軽く触れたりしただけで心拍数と血中酸素飽和度の低下を引き起こすため、ケアチームはPICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)処置を行ったほか、保育器を比較的閉鎖された静かな空間に設置して胎内に近い環境を作り、光量や音を厳格にコントロールし、温度、湿度を調整して、体への接触を最小限にとどめながら、彼女への刺激を極力抑えました。こうして喜悦ちゃんは生後の頭蓋内出血ステージIIIから正常な状態に戻り、「出血の関門」を乗り越えることに成功しました。

 超早産児はさまざまな臓器の発育が未熟のため、免疫系が極めて脆弱(ぜいじゃく)です。赤ちゃんの免疫力を増すため、医師が母親に初乳を搾り出すよう指導し、看護士は毎日、赤ちゃんののみ込む訓練を手伝いました。2024年1月7日、生後63日目の喜悦ちゃんは無事に胃に挿入したチューブを外し、自力で母乳を飲みはじめました。また1月18日には人工呼吸器を外して自発呼吸ができるようになりました。医療スタッフによる入念なケアの結果、112日後に順調に退院しました。(ZHL、坂下)


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