北京
PM2.577
23/19
米通商代表部(USTR)はこのほど公表した中国の世界貿易機関(WTO)加盟後の約束事項の履行状況に関する2023年版の報告書で、中国の約束事項の履行における実績を否定し、中国の経済貿易体制と政策が世界の貿易に大きな試練をもたらしていると中傷するなど、少なくないレッテルを貼った。
中国のWTO加盟後の約束事項の履行状況をどう評価するかについて、米国は「基準の置き換え」という手管を弄(ろう)している。すなわち、WTOルールに基づいて客観的に評価するのではなく、中国が署名した「加盟議定書」や「加盟作業部会報告書」を基準とするのでもなく、主観的に基準を設定している。今回の報告書について、あるアナリストは「中核となる評価基準を中国の特色ある社会主義市場経済体制を完全に変えるものと設定し、中国に対し米国の要求通りに体制改革を実行するよう求めている」と指摘する。こうしたことから分かるように、米国のこの報告書は出発点から「腹に一物ある」ものだ。
報告書の内容をさらに詳しく見ると、米国は、中国がWTO加盟後の約束事項を履行する上で講じた措置と成し遂げた巨大な進展を完全に無視しており、信頼性と呼べるものは全くない。米国は報告書で、中国の正当な貿易措置を「経済的脅迫」と歪曲(わいきょく)し、米国による封鎖や抑圧に対して中国が講じた措置を「自発的なデカップリング」と主張した。これはあからさまな虚偽情報の流布であり、実際には米国自身の行動が投影されている。
WTOに対し、米国はずっと「合えば用い、合わなければ捨てる」という態度を取っている。WTO紛争解決機関の上級委員会新委員選任プロセスの立ち上げに関する提案を63回も拒否したことは、米国の国際ルールに対する軽視と強権の現れだ。米国は自らの利益を守るため、「拒否権発動」方式で新委員の任命を阻止し続けており、その結果として、上級委員会の運営を機能不全に陥れ、多角的貿易体制に大打撃を与えているにもかかわらず、米国が公表した報告書はそのことについては聞かぬふりしている。
うそは何千回繰り返してもうそだ。米国の報告書がどのようにでっち上げようとも、徹頭徹尾政治的で虚偽の報告書という性質を変えることはできない。WTOのオコンジョ=イウェアラ事務局長が述べているように、中国は自らの正当な権利と利益を守りながら、全加盟国の立場から問題について思考・対処することができ、投資円滑化などWTOの多くの交渉で前向きな成果が挙がるのを後押ししている。米国の一部の人間は、中国を攻撃するよりも、自らを省みるべきだ。(CRI論説員)
KANKAN特集