北京
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中国の第40次南極科学観測隊が南極の昆侖基地で、初めて近赤外線天文観測および地球周辺空間環境常時モニタリングを実施しました。これにより、昆侖基地の上空全体の近赤外線天光背景などの重要データの測定に成功し、昆侖基地で通年の空間天文観測を展開する上で確固たる基礎を提供しました。
この重要設備は独自開発した耐低温光学レンズ鏡筒、全密封直接駆動モーターといった重要技術を採用しており、環境への適応能力を著しく向上させています。昆侖基地は南極内陸部の氷床最高点であるドームA地区(氷穹A)にあるため、大気が薄く清潔で、天文観測条件が極めて優れています。極夜(一日中太陽が出てこない日)に入った後、無人近赤外線望遠鏡は遠隔操作により同基地に配備された南極サーベイ望遠鏡「AST3-2」と連携して時間領域天文学(放射強度や形状などが変化する変動天体の研究を行う天文学の分野)観測を行う予定です。これは昆侖基地での近赤外線観測の空白を埋めることになります。
昆侖基地に設置された近赤外線望遠鏡の開発と昆侖基地での観測実験は、中国科学院南京天文光学技術研究所と中国極地研究センター(中国極地研究所)が国家重点研究開発計画プロジェクト(2022YFC2807300)、国家自然科学基金プロジェクト(11973037)からの資金援助を受け、共同で実施したものです。昆侖基地での現場観測実験は、中国第40次南極科学観測隊と基地に滞在している全隊員からのサポートと多大なる協力を得ています。(ミン・イヒョウ、坂下)
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