17歳の中国少女 不凍液を誤飲して多臓器不全に 蒸留酒2.5キロで救命成功

2024-02-20 13:58:26  CRI

 自動車に凍結防止液を注入する様子

 中国中部の安徽省・阜南県在住の17歳少女が自動車用の凍結防止液約300ミリリットルを誤飲してしまいました。地元の阜陽市人民病院に運ばれましたが、すでに意識不明で多臓器不全も発生していました。解毒薬のピラゾール剤は中国国内で発売されていないため、医師は緊急措置として中国で一般的な伝統蒸留酒の白酒(バイジウ)を利用して治療することを決断しました。

 少女は春節(旧正月)当日の10日にペットボトルに入っていた自動車用の凍結防止液を誤って飲みました。しばらくすると腹痛と頭痛を感じ、徐々にひどくなり、めまいも感じました。すぐに近くの病院に運ばれましたが、症状がひどかったので、阜陽市人民病院救急科に移されました。

 阜陽市人民病院救急科の蔡暁培副主任医師によれば、凍結防止液の主成分はエチレングリコールで、無色透明で粘性があり、甘味があります。人体に入ると、急速に毒性の高いシュウ酸塩などに代謝され、人体に深刻な危害を与えます。解毒剤のピラゾール剤は中国国内では発売されていないため、まず酒を使った療法で対処し、さらに血液浄化などの方法でエチレングリコールや乳酸を除去しました。

 少女の病状は深刻で一時は呼吸不全やショック、多臓器機能損傷によって重篤になりました。医師は断続的に鼻腔チューブを通じて、少女の胃に累計2.5キロの度数の高い白酒を注入しました。少女は救急集中治療室での5日間の治療を経て徐々に快方に向かい、各指標が正常値に近づいています。少女は近日中に健康を取り戻し退院することができるとのことです。

 少女の家族は18日、感謝を示すペナントと花束を持って病院を訪れ、医療関係者の救命に感謝しました。

 医師によると、自動車用の凍結防止液は甘味があり、誤って飲まれることがあるため、適切に保存して接触を避けるべきです。誤って飲んだ場合、すぐに嘔吐を促す措置を取ると同時に、できるだけ早く診察を受けねばならないとのことです。(任春生、鈴木)

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