【CRI時評】福島の核汚染水がまたも漏出、裏付けられた3つの判断

2024-02-09 10:22:10  CRI

 東電が、またも“事故って”くれた。東電は8日、前日に発生した福島第1原発の汚染水浄化装置の漏出事故について、人為ミスによる可能性があることを明らかにした。当時は作業員1人が装置1カ所の洗浄作業をしていたところ、排気口から水が漏れているのを発見した。洗浄中には手動で閉じるはずだった16個のバルブのうち10個が開いた状態だったため、放射性物質を含んだ水が排気管に流れ込んで水道水と混ざったという。

 福島の地元メディアによると、この事故で約5.5トンの汚染水が漏出した。漏水した水に含まれる放射性物質の含有量は政府への報告が必要な基準をはるかに上回る推定220億ベクレルに上り、現場の放射線レベルは周辺地域の約240倍に達した。

 東電は2011年の福島原発事故以来、さまざまな事故や不祥事を繰り返してきた。そして東電は、危険な事態を繰り返す一方で、核汚染水の海への放出は「安全」「信頼できる」と宣言している。人々が、日本側による海への汚染物質排出には巨大な「ブラックホール」が存在するとの疑いを持つことには十分な理由がある。

 第1に、東電には安全管理能力や処理の工程に大きな欠落があり、核汚染水排出の安全性を確保する力がそもそもないことだ。しかも東電には、誠実の精神や社会的責任感という基本が欠如している。内部管理が混乱し、従業員の保護を粗略にしている企業が、何百万トンもの核汚染水を「安全に」処理する責任を負うことができるだろうか。

 第2の問題は、日本政府による監督管理が欠落していることだ。日本政府は東電と利害関係があり、真の監視役を果たすことは難しい。しかも日本政府は主に対外広報やロビー活動に精力を費やし、汚染水の安全な処理と監督にはそもそも力を入れていない。「問題企業」の管理もしっかりできないのに、どうして核汚染水の排出管理の安全性を確保することができるのだろうか。

 第3点としては、国際社会が日本の核汚染水処理の監督に参加する必要がある。これまでに例のない核汚染水の海洋への大量投棄は、日本だけの内輪のことでは決してはなく、全人類の共通利益にかかわるものだ。相次ぐ事故は、日本政府と東電だけに頼っては汚染水浄化装置や排海施設を長期にわたり安定して、かつ有効に稼働させることが到底できないことを証明している。国際社会は全過程の監督に参与する十分な理由があり、日本は全面的に協力すべきだ。

 第4次海洋排出は今月下旬に始まる。東電の最新の事故は改めて警鐘を鳴らした。日本の政治家は責任感と良識を示し、東電の安全上の隠れた危険を厳粛に処理し、排出計画を中止させ、国際社会と共に協議して各方面が受け入れられる方策を見出すべきだ。(CRI論説員)

 

 

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