北京
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スイスのギー・パルムラン経済・教育・研究相がこのほど、首都ベルンで中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の独占インタビューに応じました。パルムラン氏はその中で、「保護主義は世界のすべての国にとって危険だ」と警戒感を表すとともに、「スイスは互恵・ウィンウィンを土台に、中国との独自のイノベーション戦略パートナーシップをより一層発展させていく」との意向を示しました。
パルムラン氏はインタビューで、「小国であるスイスは多国間主義の恩恵を受けている」と示し、世界各国が世界貿易機関(WTO)など国際機関の中で交流することの重要性を指摘したうえで、「小国も役割を果たすことができる」と強調しました。そのうえで、「保護主義は世界のすべての国にとって危険であり、経済にとっても、世界の人々の福祉にとっても脅威である」と警戒を呼びかけました。
スイスは西側諸国の中でも新中国を最初に承認した国の一つです。改革開放の初期から、スイス製時計は先駆けて中国市場に進出しました。スイスはまた、欧州大陸で初めて中国と自由貿易協定を締結した国でもあり、2014年に発効し、今年10周年を迎えます。さらに、スイスはアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー国でもあります。2016年には、中国とスイスはイノベーション戦略パートナーシップの構築を共同で発表し、中国が、外国とイノベーションに特化した戦略的パートナーシップを構築したのはこれが初めてでした。
パルムラン氏は、中国との二国間関係を、「70年余りにわたり、1本の大木のようだ」と例え、「時間が経つほどより強く、新しくなり、今も成長し、花を咲かせ続けている」と表現しました。両国間の貿易額は自由貿易協定発効当初の約600万ドルから、2022年には500億ドルを突破しています。パルムラン氏は、「まだ眠っているポテンシャルがあると信じている」とし、現在、両国間にあるさまざまな分野における30以上の対話メカニズムに触れ、「スイス・中国協力の将来性については楽観している」と語りました。また、スイスの特定分野の専門スキルと、中国のニュー・テクノロジーや人工知能、デジタルへの転換などハイテク分野での優位性における協力に期待を示しました。
パルムラン氏は、ウィンウィンが協力の最も重要な基盤だと何度も強調し、「そのような強固な土台は双方が多分野における質の高い協力の実現に動力を注ぎ続け、長期的で安定的な二国間関係を推進することを確信している」と話しました。
なお、パルムラン氏は1993年に政界入りし、2016年から、スイス連邦参事会参事に選ばれ、スイスの国防・民間防衛・スポーツ相や経済・教育・研究相を歴任。2021年にはスイス連邦大統領を務めました。(Yan、MI)
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